翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

急に重くなった……

 なにが重くなったかというと、一語一語が……。

 ページ数にして残り10パーセントを切ったとたん、翻訳速度が急低下。物語が明らかにエンディングにむかって舵を切り、言葉がここまでの90パーセントを背負った言葉になりはじめたからなのだと思います。

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 こんなブログを書いているくらいなら、ちゃんと翻訳しろ、と言われそうですが、焦ると作者の言いたいことをはずしてしまいそうで、腹を決めてゆっくりやっています。

 たぶん、文章には物語を進めるための文章と、終わらせるための文章があって、もちろん、同じ重みをもっているはずなのですが、いや、どう考えたって、「終わりよければすべてよし」なのです。

 

 まあ、天気のいいゴールデンウィークなので、「訳文を寝かせる」と称して、ちょっとお出かけしたりするわけですが……。

(M.H.)

 

『二つの旅の終わりに』

 Twitterをチェックしていたら、訳書の『二つの旅の終わりに』を面だしで並べてくださっている書店の写真がありました。ありがとうございます。そういえば、三辺律子さんが、4月17日の高知新聞で、この本を紹介してくださり、その記事を送っていただいていました。

 ということで、たまには、前に訳した本の紹介もしておこうか、と。

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二つの旅の終わりに』(エイダン・チェンバーズ作、徳間書店、2003年)
 表紙イラストは松尾たいこさん。大好きな表紙です。

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薮内正幸・籔内竜太 原画と写真の親子展 

 いつもわたしが翻訳勉強会の会場にしている川越の絵本カフェ、「イングリッシュブルーベル」さん( Ehon Cafe - English Bluebell - )で、鳥や動物の細密な絵で知られた薮内正幸さん(通称ヤブさん)の絵と、息子さんで、現在、山梨県の白州でお父様の作品を展示する美術館を運営していらっしゃる籔内竜太さんの写真の、コラボ展覧会が開かれています。

 会期は5月7日まで。詳しくは、上のリンクを参照してください。わたしはまだ行けてませんが、行く予定。ステーショナリーなど、ヤブさんの絵を使ったグッズも、ほんとクオリティが高いんです。

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(これは、一代前のiPhoneの時に愛用していたスマホケース。ヤブさんのハヤブサです。)

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