今日から夏休み。
ここは北海道の、とあるカフェの窓から見た風景です……。
と言いたいところですが、昨日、昼ごはんを食べに行った、市内のカフェレストランでした。家から車で5分。同じ団地の奥さんがウェイトレスしてました。どんだけ田舎にあるんだ、我が家は。ははは……。
でも、夏休みはほんとです。今日から4、5日、仕事しません。よろしく。
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(M.H.)
翻訳小説の紹介冊子、『ブックマーク』08号が届きました。
今回のテーマは「やっぱり新訳!」 内容は、ずばりそういうことです。
入手方法はこちらを。おいてある書店の一覧と、送ってもらう方法が書いてあります。
続きを読む★この記事を書いたあとも、少しずつ本は増え、しかも、そのうちに、「あっ、翻訳されちゃった。やっぱり面白かったんだ、すぐに読んでおけばよかった……」という原書がたまっていきます。でも、たぶん、これは必要な投資なんだと思います。ピンポイントでとりよせて、レジュメ書いて、企画採用された本もなくはないですが、やはり、なかなか、そう甘くはないですからね。(2017年08月06日「再」再録)★
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洋書はアマゾンのおかげで、どんどん安く手に入るようになりました。ですが、ハードカバーとペーパーバックがあるなら、やっぱり、安いペーパーバックを買ってしまいます。Kindleならもっと安いのですが、どうも、買う気になれません。本という物が欲しいんですね。ただ、狭い部屋はどんどん本だらけになり、机の上、床の上に積もっていきます。そろそろ、処分しないとなあ。
そもそも、買っても読まない本が多くなってきてしまいました。毎日、翻訳をしていると、もう英語を見たくなくなってくるのです。でも、新しい本を買わないと、なんだか、落ち着かない。あーあ、また……。
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第15回 ペーパーバック百冊
(2009年1月19日掲載記事 再録)
面白い本は人に教えたい
読者のみなさんは、最近、なにか面白い本を読みましたか? それも、会う人ごとに「ねえねえ、この本読んだ? 面白いよお。主人公は厚労省の役人なんだけど、それがちょっと変わっててさあ……」てな調子で、勢いこんでストーリーや登場人物を紹介したくなる本を読みましたか?
続きを読む★この作品は、章が変わるごとに、老いた女性の語り手の文を「です・ます」調で、十代の男の子が語り手の文を「だ・である」調で処理するという、とてもやりがいのある翻訳作業でした。こういうの、じつは、けっこう好きです。うまく行くと、文章に味わいが加わり、かつ、それぞれの人物がくっきりと浮かびあがります。(2017年08月05日「再」再録)★
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この回でとりあげた『二つの旅の終わりに』。原題は"Postcards From No Man's Land"です。"No Man's Land"というのは、戦場で敵味方がにらみあっている時に生じる、その間に帯状に伸びる人のいない地帯のこと。作者のチェンバーズさんにも、このタイトルの意味を問い合わせたりして、いろいろ編集者さんと考えたのですが、結局、直訳とはまったく異なる邦題になりました。欧米には日本の官製はがきのようなものがないらしくて、英語のpostcardは、ふつう絵葉書のことを指すので、「葉書」とすると印象が変わってしまう、ということも考慮しました。
Postcards From No Man's Land (Definitions Series) (The Dance Sequence)
みなさん、前回の宿題、やってありますか?
では、どうぞ。
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第14回 「です・ます」調のこと
(2008年12月8日掲載、2015年04月16日再録)
さて、宿題の答えは?
まずは先週の宿題の答えあわせです。
続きを読む★セリフによるキャラクターの際立たせ方はとても面白い翻訳作業です。自分は、どこでこういう技(?)を身につけたのかと考えてみると、読書体験はもちろん大きいのですが、中高生のころ、毎日のようにテレビで見ていた洋画劇場の字幕や吹き替えのせりふに基礎があるような気がします。ちょっと大げさな、でも、その人物の性別や年齢、性格を表わす言葉遣いは、たぶん、体に染み付いていたのではないかと……。(2017年08月04日「再」再録)★
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この回でとりあげた『エアボーン』。飛行船を舞台にした冒険物語で、わたしの大好きな作品です。表紙の絵がいいでしょう。これは坪内好子さんという版画家さんの作品です。この方の版画は雰囲気があっていいですねえ。この表紙の原画、というか、版画は購入できるみたいですが、飾るところないしなあ、と、ずーっと迷っています。
では、どうぞ。
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第13回 キャラクターの訳し分け
(2008年11月4日掲載、2015年04月13日再録)
読者のみなさんは、地の文とせりふ、どちらを翻訳するのが好きですか?
わたし? わたしはもちろんせりふです。だって、せりふがあると余白が増え、ページ数が稼げて、仕事がはかどった気がしますから。いや、冗談、冗談。でも、せりふ部分の翻訳はけっこう楽しんでやっていることが多いのは事実です。
続きを読む★8月になると、この記事を自分でも読み返したくなります。イラクもISからの解放が見えてきましたが、今度は、その後が、また大変でしょう。記事の中で、わたしが訳した戦争をあつかった児童文学を挙げていますが、このあとも、『フェリックスとゼルダ』、『フェリックスとゼルダ その後』を訳しましたし、今年の秋にもまた、そして、来年も、戦争がテーマの訳書を出す予定です。「忘れてはいけない」と思います。(2017年08月03日「再」再録)★
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この記事は、2008年の終戦記念日に寄せて書きました。
この記事を書いたあと、どれくらいたっていたか忘れましたが、イラクで人質になって解放された経験をおもちの高遠菜穂子さんの講演を聴きにいきました。講演で見せていただいたスライド映像には、米軍の空爆で傷ついた民間の人々や、劣化ウラン弾の後遺症に苦しむ人たちが写っていました。それは悲惨な映像で、出席者はみな言葉を失っていました。高遠さんは、今もイラク支援の活動を続けていらっしゃいます。
世界の子どもの本から「核と戦争」がみえる―教科書に書かれなかった戦争〈Part28〉
1980年にイラン・イラク戦争が始まってから、すでに35年以上経ち、その間ずっと、イラクは国のどこかで戦闘が続いています。今もIS(イスラム国)に苦しめられていて、あの国に暮らしている人々、とくに子どもたちのことを思うと、胸が塞がれます。
戦争を扱った児童文学を翻訳する意義は大きいと、ずっと思っています。また戦争の話か、と思うかもしれませんが、必要なことなのです。大人は「またか」と思いますが、子どもたちは知らないのですから。そして、その子どもたちが大人になっていくのですから。
続きを読む★「自分の日本語」という表現は、傲慢な気もしますが、でも、自分の翻訳した本はすべて自分の言葉で成り立っているのだと思うことは、とても大切だと思うのです。(2017年08月02日「再」再録)★
『レトリック感覚 (講談社学術文庫)』と『レトリック認識 (講談社学術文庫)』 参考になりますよ。
だれでも、自分の言葉、というものをもっています。それまで積み上げてきた言語体験や学習成果によって、人は自分らしい言葉の使い方や文章の展開の方法を知らずに身につけています。それは、どんな年齢の、どんな生い立ちの人にもあるはずです。
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