翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

1st ステージ 第2節 HOME vs モンテディオ山形

 昨日、3月14日(土)はホーム開幕戦。

 ◯1ー0 (G:阿部) 開幕2連勝!!

 "We Are Diamonds"を埼スタで歌うのは、なんと去年の10月5日の徳島戦以来。

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 先週の湘南とちがって、山形は前から来ず、5バックでがっちり守る。ただ、ラインはできるだけ高く保とうとしているように見えた。うちは、ボールはもてるが、Uの字に回すだけで、なかなかサイドを破れず、中央も監視されていた。しかし、山形も決定的チャンスはほとんど作れない。前半0ー0は石崎監督の思惑通りだったのだろう。

 

 前線の先発は興梠、石原、柏木というトライアングルだったが、交代で、石原、武藤、高木に順次スイッチ、柏木はボランチに下がり、青木がアウトすると、前線が活性化したように見えた。得点は80分を過ぎたころ、右センタリングのこぼれを、阿部ちゃんが中央から走りこみ、ペナの外からインステップでシュート。綺麗に足の甲にヒットしたボールは、唸りを上げてホップしながらゴール左上隅に突き刺さった。まさに、ワールドクラスのシュートスピード・軌道だった。が、じつは、南からはそこまですぐにはわからず、ズドーン、って「感じ」と、北の歓声はもちろんわかったが、あとでビデオで確認した。湘南戦の鬼気迫る奮闘ぶりに加えて、あのシュートも阿部の気持ちがこもっていた。

 

〈トピック〉

 昨日、埼スタのピッチで、最初に浦和サポの拍手を受けた選手は、試合前の練習に出てきた山形のキーパー、山岸だった。ブーイングはわずか、ほとんどが拍手だった。昨年途中で山形に移籍、いきなりキャプテンをまかされ、昇格プレーオフでは、まさかのヘディングシュートを決め、今年J1でも、山形のキャプテンはギシだ。前節の開幕戦、仙台とのみちのくダービーでも、0-1の試合終了間際のコーナーキックの際、ゴール前に上がっていって場内を沸かせていた。

 そして、昨日、最後に浦和サポの拍手を受けたのも、ギシだった。浦和サポがウイダイを歌い終え、オーロラで今日のダイジェスト映像が終わるのを待って、キーパーユニのままピッチに出てきたギシは、北のゴール裏から場内を小走りで一周、万雷の拍手を受けた。

 去年はシーズン途中での移籍で、サポーターにきちんと挨拶できなかった、という思いがあったのだろう。ほんとうに真面目な選手、責任感の強い選手だ。出身も埼玉、熊谷高校から中京大を経てレッズへ。都築との競争、ミシャが来ると順大との競争、そこへ西川が加入、というレッズでのキーパー歴だった。一つしかないポジションで、しかも、正キーパーとサブキーパーでは、出場機会が雲泥の差になってしまう中、浮き沈みがありながら、決して手をぬかず、浮かれず、腐らず、がんばってきた人柄がにじみ出る、今日のプレー、そして、浦和サポへの挨拶だったと思う。

 キーパーは大変だよなあ。うちの息子もキーパーだっただけに、身にしみて感じる。

 的確なポジショニングでシュートを防いでも、中継アナウンサーは「キーパー正面!」って言うし、フィールドの選手はちゃんと選手名でプレーを追うのに、キーパーだけは、「キーパーがセーブ!」って、それはないでしょ、名前で言ってよ! かと思えば、シュートをキャッチ、さあパントキック、って時に画面切り替えて、へぼいシュート打った相手フォワードの顔をアップしてどうする!

 ああ、文句を言いだすときりがない。

 

 山岸にとっては、ナビや天皇杯はあるかもしれないが、たぶん、今年、最初で最後の埼スタになるんだろう。山形は2連敗。昇格チームとして、今年は今年で、大変だと思う。

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 ごくろうさん、ギシ。そして、山形での奮闘を祈ってます。(M.H.)