翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

木版画

 4月13日の記事で『エアボーン』の表紙の原画が、坪内好子さんという版画家の作品だということを書きました。あれは、たしか銅版画だったと思います。もともと版画は好きなのですが、とくに、木版画が好きです。

 我が家には、埼玉県在住の版画家、安本秀をさんの木版画が3点ありました。ありました、と言ったのは、そのうちの一点は、昨日の記事でとりあげた、『二つの旅の終わりに』の作者、エイダン・チェンバーズさんが来日した際、プレゼントしたからです。

 で、ずっと2点になっていたのですが、東松山の画廊喫茶、「ギャラリー亜露麻」で昨日まで開かれていた安本さんの木版画展で、新たにひとつ購入して、また、3点にもどりました。

 今回購入した作品はこれ。富士と桜です。小品だったこともあり、富士山の大好きな家内が、いつになく欲しがりました。

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  我が家には、あと、「春の常念岳」と「ナルコユリ」があります。常念岳を購入したのは、20年近く前でしょうか。安本さんの作品は、木々や山を題材にしたものがほとんどですが、以前は写実に近い作品が多かったように思います。最近は、しだいに同じ題材でも、樹木や山そのものよりも、風景の中に見える光や色を表現した作品が多くなっています。

 

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 これは今回の展覧会の案内葉書ですが、光の表現が独特なことが、わかっていただけるのではないでしょうか。これをお読みの方も、お近くで展覧会があるようでしたら、ぜひ、一度、安本さんの版画を見ていただきたいですね。木版のイメージが変わるかもしれません。今回の展示では、秋の黄葉の山のものがいいなあ、と思ったのですが、先立つ物と飾るスペースがありませんでした。

 

 

 チェンバーズさんに差し上げたのは、「かがや木」というタイトルのついた、イチョウの黄葉を題材にした作品でした。イチョウはイギリスではめずらしく、チェンバーズさん、とても喜んでくださいました。「タイトルは?」と聞かれて、「A Glowing Tree」と答えたのを憶えています。帰国後、チェンバーズさんからは、ピアノの上に飾った、というメールをいただきました。(M.H.)