翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

『ハーレムの闘う本屋』書評

 

ハーレムの闘う本屋

ハーレムの闘う本屋

  • 作者: ヴォーンダ・ミショー・ネルソン,R・グレゴリー・クリスティ,原田勝
  • 出版社/メーカー: あすなろ書房
  • 発売日: 2015/02/25
  • メディア: 単行本
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 2月に発売以来、あちこちの書評でとりあげていただいています。いくつか紹介させてください。

 

 

 

 3月1日付毎日新聞朝刊「今週の本棚」では、中村桂子さんが「ニグロから黒人へ」というタイトルで紹介してくださいました。結びの言葉を引用します。

「ニグロから黒人へ。一人の人間の信念、そして本が大きな変化をもたらしたのである。ちょっとワルのところも悪くない。『知識こそ力』という発想は、改めて今私たちの中で大事になっていることである。」

 

 

『本の雑誌』2015年5月号の「新刊めったくたガイド」では、独創的な書店経営で有名な京都の本屋さん、恵文社一乗寺店の堀部篤史さんが、「ハーレムの書店からテキヤまで。カウンター文化の担い手たち」と題して、3冊のうちの一番目に紹介してくださいました。一部引用します。

「店の常連であったブラックパンサー党員の握りこぶしを開かせ、『中は空っぽだ』と指摘し、本をさし出して『これこそが力だ』と諭すところなど、まるで映画のワンシーンを観るよう。」

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 堀部さんは、お店のブログでも扱ってくださいました。ぜひ、こちらもお読みください。「3月, 2015 | 何を読んでも何かを思い出す

 

 

 4月26日付の朝日新聞朝刊の書評欄でもとりあげていただきました。

「ミショー氏の強い信念に貫かれた『闘う本屋』は、『知の兵站基地』としての役割を果たし続けた。ところが、あることがきっかけで書店は75年、廃業に追い込まれる。
 惜しむ声は今なお多い。ミショー氏の挑んだ闘いはまだ終わりを迎えていない。」

 

 

 また、ウェブの予告によれば、5月3日の読売新聞でも取り上げてくださるそうです。

 

 

 みなさん、ありがとうございます。自分は翻訳しただけですが、思い入れのある本です。ぜひ、ご一読いただきますよう。(M.H.)