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翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

佐竹美保さん、原画展

 昨日、5月17日(日)、銀座の教文館で開かれていた「ファンタジーを描く〜佐竹美保のダイアナ・ウィン・ジョーンズの世界〜」(徳間書店の子どもの本20周年企画)に行ってきました。佐竹さんの原画展です。なかなか行けなくて、この日が最終日。

    実は、ジョーンズは読んだことがないのですが、佐竹さんの絵は、ローワンシリーズなどでも知っていたので、一度原画を見たいとおもっていました。

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    いやあ、素晴らしい!    本を読んでいないので、物語との関係性はわからないのですが、それでも、絵画作品として引きこまれる魅力をもっていました。リストによれば、ジョーンズ作品だけで35作品もの表紙絵・挿絵を手がけていらっしゃます。佐竹さんの机の上も再現されていました。鉛筆によるスケッチも見られました。使い古した小さな消しゴムがかわいい人形に変身していました。

 文庫の表紙も多いので、原画も思ったより小さく、そして細密でした。虫眼鏡がおいてあったほどです。そして、東京創元社に絵の仕事をもらいたくて売り込んだ時のオリジナルの絵も二点展示されていました。

 なんとこの日は佐竹さんご本人がいらっしゃったので、徳間書店のKさんにご紹介していただき、少しお話ができました。佐竹さん、すらりとした立ち姿のおしゃれな方でした。

 そして、物語を読んで、つまり、佐竹さんの場合は翻訳書も多いので、翻訳者のゲラを読んでキャラクターや情景を立ち上げ、絵にしていくという作業の面白さや大変さを少しだけうかがえました。いつか、自分の訳書に佐竹さんの表紙や挿絵がついたらいいなあ、と思いますが、どうも路線が違うような気もします。

 

 

 

 同じく教文館のナルニア国内で開かれていた「佐竹美保『春の苑 紅にほふ はじめての越中万葉』原画展」ものぞいてきましたが、これが、また素晴らしかった。ジョーンズの挿絵や表紙絵のバタ臭さとは対極の、日本らしい、でも、佐竹さんらしい絵がたくさん。

春の苑紅にほふ はじめての越中万葉

 

 これは、大伴家持が越中、今の富山に赴任していた時に詠んだ歌を題材に、その情景を、富山県出身の佐竹さんが描き、それに解説がつけられた美しい絵本です。残念ながら、こちらも昨日まででした。

 もう少し早くレポートできていれば、このブログを見てから行けた方もいらっしゃったでしょうに。でも、この本、買って損はないと思いますよ。(M.H.)