翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

白十字、白三菱

 

 どくだみや 真昼の闇に 白十字

             ── 川端茅舎

 

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 俳句にはくわしくありませんが、ドクダミといえば白十字、というのは、いつの間にか頭にすりこまれていました。冒頭の句は憶えていたわけではなく、調べて書きました。いい句ですよね。「白十字」が、ひと言でドクダミの花の形をずばり言い表わしているのですが、「真昼の闇」というのもすばらしい。

 写真は、いつもの水路沿いで撮ったものですが、ちょっと日陰の湿った感じの場所に群生しているイメージがあり、茎が黒っぽいこともあって、まさに「真昼の闇に白十字」です。毒だみ、という名前とあいまって、妖しい感じもよくでています。

 

 

 水路沿いには白い花がこの時期多く、クレソンも咲いていましたが、もう終わってしまいました。すると、白十字ならぬ、白三菱、みたいな花がありました。

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 写りが悪くて申し訳ありません。名前を知らなかったので調べたら、「トキワツユクサ」という花で、外来種らしい。たしかに、葉はツユクサによく似ています。子どもの頃には見たことがなかった気がしますが、知らなかっただけなんでしょうか。花びらが三枚というのは特徴的です。そう思って周りを見ていたら、なんと勤務先の学習塾の近く、水道橋駅前の歩道の植え込みに咲いていました。それが上の写真です。

 

 ひとつ、名前のわかる花が増えました。(M.H.)