翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

『ハーレムの闘う本屋』朗読セミナー

 6月20日(土)、川越の絵本カフェ「イングリッシュブルーベル」さんで、『ハーレムの闘う本屋』を朗読しながら、作品や翻訳にまつわる話をさせていただきました。参加いただいたみなさん、ありがとうございました。

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 訳し終えて本になってしまうと、意外と読み返すことがないもので、こういう機会があってよかった。当日は、本書に描かれた黒人専門書店の店主、ルイス・ミショーさんの生涯をたどるように、年譜と対照しながら、作品の一部を朗読していきました。また、作中に引用されているヒューズやダンバーの詩も。

 この作品は、ミショーさん本人や家族や周囲の人々の語りで、この人物の生涯を再現している形式です。ほとんどが一人称なので、朗読に適した作品と言えます。また、今回は、ミショーさん本人が舌鋒鋭く持論を展開している映像や、牧師だった兄ライトフットの驚くような説教シーン、また、ヒューズ自身の自作の朗読音声などもみなさんに見てもらい、聞いてもらいながら進めました。まずまず、うまくいったんじゃないでしょうか。

 

 今年に入って、セミナーや朗読会を何度かやりましたが、準備のために読み直したり、今回のように、音声や映像資料を探したりしていると、少し客観的に自分の訳した本を見ることができて、貴重な経験となっています。人前で話をしようとすると、それなりに、内容をまとめたり整理したりするので、理解が深まったり、新しい発見があったりします。本も、また何冊か購入していただけました。

 「イングリッシュブルーベル」のKさん、参加者のみなさん、ありがとうございました。

 

 当日の感想をブログに書いてくださった方がいるので、以下、参照してみてください。

kiminisachiare.glee.jp.net

 

 イングリッシュブルーベルのブログでの報告はこちら。

englishbluebell.at.webry.info

 

(M.H.)