翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

まさかの川越祭り

 18日の日曜日。思わぬ形で川越祭りを見るはめに……。

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  塾での仕事を終えての池袋駅。夕方の6時前でした。

 朝から風邪気味で、鼻水をたらしながら仕事をしていたわたしは、森林公園行きの急行に座れたことで、ほっと一息。が、発車時刻をすぎても列車は出ない。アナウンスに耳を傾けると、かすみがせきあたりで事故があったらしい。とりあえず成増まで走る、と。ふむ。でも動くってことは大丈夫そう。

 動き始めた車内で、「現場の安全確認が行われました」とアナウンス。よし、早く帰って寝よう。成増に着く頃、「坂戸・北坂戸間で事故」とのこと。えーっ。列車は志木に停車したまま、いっこうに動かない。風邪で頭はもうろう。うーん。池袋・川越市間の折り返し運転が始まる。でも、川越まで行ってもなあ。その先へ行けないし。

「現場では、レスキュー隊による救助が……」同じアナウンスがくりかえされる。これは時間がかかりそう。川越市まで家内に車で迎えに来てもらうことに。川越市駅まで行くと、下り列車を待つ人がホームや階段にあふれている。ん? ああ、今日は川越祭りだ。あちゃー。山車が出るから、交通規制で車は駅に近づけない。

 急いで家内に「国道まで出るから、その辺から電話して」とメール。この時点ですでに8時半近く。池袋駅を出てからすでに2時間以上が経過していた。祭りの余韻にひたる人並みをかきわけて国道254まで歩きはじめる。と、連雀町でお囃子が!

 おお、これが川越祭りの山車か! きれいだなあ。二つ向き合ってお囃子の競演。ジャズのセッションみたいだ。(あとで聞いたら、これを「ひっかわせ」と言うらしいです。)じつは、人混みがきらいなわたしは、川越祭りに来たことがない。思わぬ形で初川越祭り。

 

 写真を撮ったあと、携帯でメールしたり、グーグルマップを見たりしながら、国道まで出ようとしていると、携帯の電源が突然落ちた。はあ? 28%あったじゃん! これで、家内と落ち合う場所の確認ができなくなった。うーん。と思っていたら、5分ほどして、なぜかiPhoneくん、起動し始める。よしっ。と、そこへ家内から電話。「川越高校に来た」 川越市内で家内が道を知ってて車で来られる場所は、息子の母校だった川越高校くらいというわけだ。

 こっちも、川越の地理はよくわかっていない。すでに254付近まで来ていたわたしは、どんどん減っていく電源を気にしながら、マップで現在位置と川越高校の位置を確認。引き返し気味に歩いていく。風邪気味なのに、どんだけ歩かされるんだか。交通規制のおまわりさんは機動隊からの応援なので、道をきいても地元のことはわからない。やっと、町内会の手伝いらしいおじさんが、「ああ、川高なら、突き当たって右だよ」

 何年ぶりかの息子の母校。校門を入ったところの楠の巨木が、相変わらず大きく枝を伸ばしている。卒業生の梶田さんのノーベル物理学賞を讃える横断幕が暗闇に白々と浮かんでいました。やっと、家内と合流。iPhoneの電源残量は4%。やれやれ。

 そこから車で30分あまり。帰宅したのは10時近くでした。あのまま運転再開を待っていても、たいして変わらなかったでしょう。でも、川越祭り、見られたし。

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 この日が二日目だったので、山車の中にはすでに提灯をはずす作業に入っているものもありました。刺繍した垂れ幕がきれいだなあ。

(M.H.)