翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

おつかれ、啓太

 啓太が、今季限りでの浦和退団を自身のFacebookで発表した。

 ただただ、おつかれさま、と言いたい。

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  ホリ、ツボ、と生え抜きが去っていく中、そろそろかなあ、とは思っていた。今年はずっと啓太のレプリカを着て埼スタに行ってた。背番号がだいぶくたびれてしまった。

 

 東海大翔洋高から入団。J1のクラブに入ったはずが、まさかのJ2降格、という多難なスタート。体格にも恵まれず、足元のテクニックもさほどない啓太が、ここまで16年浦和でやってきたというのが、どれほどの努力の賜物かと考えると、頭が下がる。クレバーな選手なのだろう。監督が変わり、サッカーが変わっても、ふんばって出場機会を得てきた。代表ではオシムに「水を運ぶ人」として重用され、肉体的に疲弊するまで頑張り、しかし、オシムが倒れてW杯には行けなかった。ミシャサッカーは啓太には無理だろうと思われたが、いくつになっても選手はうまくなれる、ということを身をもって証明し、一時は中盤の要となった。ミドルレンジのパスだって、なかなかのものだった。まあ、静岡出身の選手なんだから、下手なわけはないんだが、それでもイメージがね。

 高卒で浦和に入った中盤の選手には好きな選手がたくさんいる。石井俊也、小野伸二、啓太、長谷部、細貝、小島……。こうして見ると、浦和のスカウトの目も悪くない。暢久にも期待したい。

 

 啓太に話をもどそう。ダンディな私服姿もかっこいいが、チーム内外の立ち位置からして、もっといろいろ外部に物も言えるだろうに、言いたいこともあるだろうに、黙々と選手としての分をわきまえ、ピッチに出てなんぼ、というのを言葉を使わずに表現していたように思う。それがかっこいい。

 現役続行か引退かはまだ決めていないそうだが、レッズでは今季限り。ホームはあと2試合。今のチーム状況では、出場はむずかしいだろうが、チャンピオンシップも含めて、この13番のレプリカで応援に行くぞ。

 

 おつかれ、啓太。

(M.H.)