翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

カフェオレのわけ

 ここのところ胃の調子があまりよくなかったので、昨日、胃カメラを呑みました。というか、鼻から入れました。結果は大したことはなかったので良かったです。それでもブラックコーヒーは控えているので、ここのところインスタントのカフェオレを飲んでます。これ、けっこうおいしい。

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  しかし、胃カメラを入れるまでがドキドキものでした。15年くらい前に呑んだきりで、これが二度目なのですが、一度めは口からで、大変な思いをしたからです。

 人間ドックの一環だったと思うのですが、その時もすでに、「こんなものはへっちゃらさ」と口ではいいながら、かなり緊張していたのでした。それを見抜いていた看護婦さんが、「緊張してます?」とひと言。これは最悪のひと言でしょう。あのシチュエーションで、そう尋ねられて、「はいはい」と答える男はいませんよ。去勢を張って「いえ、全然」と答えた時から緊張感はマックス。もともと本番には弱いタイプで、練習試合なら勝っても、本番ではからきし、というテニスの戦績を見てもそれは明らかなのです。

 案の定、上半身がカチカチに緊張していて、喉に入ってきた胃カメラのチューブが、それはそれは苦しくて、というか、さらに苦しくなるんじゃないかという不安が苦しさを倍増させて、わたしはやおらチューブをつかんで引っこ抜いてしまったのでした。大の大人が鼻水と唾液をたらして苦しがっているのを見て、その残酷な看護婦は(いや、そう思えただけなのですが)「はーい、だいじょうぶですよおー」と、何事もなかったかのように(多分こういう人は少なからずいるんでしょうねえ)、またチューブを手に迫ってきたのでした……。

 

 とまあ、こうしたホラー映画のような(笑)過去をもつわたしは、昨日もじつはかなり緊張していたと思います。

 でも、だいじょうぶでした。この15年で内視鏡は進化していて、まずチューブが細い! 看護師さんがやさしい(笑)! 事前の準備や説明がいたれりつくせりなのです。というわけで、気持ちが悪くないことはないのですが、スムーズに胃の中を撮影した胃カメラはするするとまたとりだされたのでした。撮影中、背中をずっと優しくさすっていてくれた看護師さんは天使のようでした。はは。

(M.H.)