翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

やればできる

 ある絵本を編集者さんに見てもらおうと思って電話したら、「試訳あります?」と聞かれてしまいました。まあ、そうですよね。

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 まず絵を見てもらおうと思っていたので、試訳はしてませんでした。絵の趣味は人それぞれで、そこが分かれ目ですから。

  じつは、今までもちこんだ絵本の企画は、一回も通っていません。自分の好きなタッチの絵から入ってしまうので、たいてい「児童書としてはどうですかね」という評価になってしまうのです。結局わたしは、物語でも絵本でも、自分の好き嫌いでしか評価できないんだと思います(そもそも、文学や絵画に客観的な評価なんて意味があるんですかね?)。でも外国では出版されているのですから、日本でも気に入ってくれる編集者さんがいるかもしれませんから。

 ともかく、前日に「試訳は?」と言われたわたしは、当日の朝、その出版社に出かける前に試訳を作ってみることにしました。ふだんは時間に追われるようなスケジュールは組まないようにしているので、こういうシチュエーションはめったにありません。もち時間は1時間半。絵本とはいえタイトです。で、なんとか訳しました。まあ、出来はいいとはいえませんが…。

 やればできる!   もう少しふだんの計画を自分に厳しくするかな?

 

    で、肝心のもちこみの首尾はというと……やっぱり、絵本は自分が好きだというだけじゃダメみたいですね。

 いや、また別の編集者さんに見てもらおう。

(M.H.)