翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

冬のエベレスト、真夏のメンフィス

『The  Everest Files』の初校ゲラに朱を入れて送りかえしたあと、さっそく、中断していたもうひとつの作品の翻訳にもどりました。エベレスト山麓で吹雪にさらされ、凍傷と低体温症の危険におびえていたのに、今度は、真夏のメンフィスで汗だくになって歩いて新聞配達です。もちろん、わたしの頭の中だけの話ですけど……。

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  調べてみると、アメリカのテネシー州メンフィスの夏の最高気温の平均は、7月、8月、9月、いずれも30度を超えています。東京よりも暑いらしい。エベレストでは、たぶん零下20度、30度だったのですから、その差60度から70度はありますね。

 人間というのはたいしたものです。わたしの経験した最低気温は、たぶん西シベリアのケメロボ州にいた時の零下35度。最高気温は、たぶんイラクのバスラにいた時の45度くらいでしょうか。その差80度。世界は広い。人間は丈夫だ。

 

 翻訳は、こうして世界中の風土を疑似体験できるのも面白い。

(M.H.)