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翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

『千の顔をもつ英雄』

 神話学の大家、ジョーゼフ・キャンベルの『千の顔をもつ英雄』(ジョーゼフ・キャンベル著、倉田真木・斎藤静代・関根光弘訳、ハヤカワ・ノンフィクション文庫)が、昨年、新訳で刊行されました。

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  訳者の倉田さん、斎藤さんは、洋書の森(日本出版クラブ内にある、翻訳権フリーの原書の貸出サービス)のスタッフで、いつもお世話になっています。斎藤さんは、このブログの前身ともいえるコラム「原田勝の部屋」を全回編集してもらいましたし、じつは、大学の軟式テニス部の同期でもあります。

 

 ジョーゼフ・キャンベルは世界中の神話を研究した人で、勉強不熱心なわたしでさえ彼の著書『神話の力』を読んだことがあります。『千の顔をもつ英雄』は、早川書房の創立70周年文庫企画で、「ハヤカワ文庫補完計画」と銘打って、「レジェンド的作家の名作・傑作70点を新訳・復刊・新版で」出すという企画だそうです、この3月まで続くとのこと。上の写真の帯に、52/70と書いてあるのはそのことですね。

 SFやミステリの名著の新訳や復刊ももちろんですが、こうした学術書といってもいいようなものを出すのはおもしろい。もちろん、帯にある「〈スター・ウォーズ〉シリーズ」の原点!」ということがあって、『フォースの覚醒』の封切りに合わせて、翻訳は大変だったようですが。(そのあたりの話は、斎藤さんのブログを参照してください。( 斉藤静代の通信添削講座|e翻訳スクエア ))

 こんな硬い本が売れるのかなあ、と思っていたら、12月18日刊行で、早くも重版がかかっています。企画がいいのと、やはり名著には力があるのでしょうし、読みやすい新訳のおかげももちろんあるでしょう。読書会で名作と言われている翻訳児童書を読んでいますが、やはり翻訳が硬いものが多い。「これ、頼まれれば、訳しなおしたいなあ」と思うものもあります。

 

 ああ、そうだ、この『千の顔をもつ英雄』、装幀がいいですよね。先日、見つけた、装幀で本を選んでいるサイトにもセレクトされていました。このサイト、なかなかおもしろいです。

 本は半分くらいジャケ買いですから。

bookface.jp

 

(M.H.)