おととい、『ブックマーク』03号のことを書きましたが、じつは、この号に載せてもらった『サブリエル』の書影は単行本のものです。これですね。
この本はむちゃくちゃ重くて、厚くて、珍しい角背で、カバーには銀色の箔押しが使ってあって、すごい豪華な造りです。この年の装丁の賞をとりました。デザインはBUFFALO.GYMの永松大剛さんです。装画は石橋優美子さん。
でも、わたしは、ほんとは文庫版の表紙を載せたかったのです。これです。
そう、同じ石橋さんの絵ですが、文庫版全6巻を横にならべると、絵がつながってるんですよ。ヒロインの上半身と、モゲット、不評の犬、黄金の手も描いてあります。で、この写真はBUFFALO.GYMさんのホームページのものですが、これを借りられないものかと、お電話で問い合わせたのでした。永松さんは、快く、いいですよ、と言ってくださったのですが、解像度の問題やスペースの問題があって使えませんでした。なので、改めてここに載せました。永松さん、お手数かけました。
BUFFALO.GYMのホームページには、この表紙の写真に、永松さんの文章が添えられたページがあります。このシリーズの表紙にヒロインの顔をもってきた意味とからめて、永松さんのファンタジーへの思いが綴られています。とても興味深い話なので、ぜひ、ご一読ください。
( BUFFALO.GYM » 古王国記Ⅰ〜Ⅲ サブリエル・ライラエル・アブホーセン )
装丁や装画を担当されるアーティストの皆さんは、編集者の次にわれわれ訳者の原稿に目を通してくださる、いわば「2番目の読者」です。自分の訳文から、絵や写真や装丁やロゴが生まれると思うと、こんなにゾクゾクすることはありません。
あ、そうそう、石橋さん、よくぞ『アブホーセン』の表紙に「黄金の手」を描いてくれました。先般、作者のガース・ニクスが発表した、5巻目のタイトルは、そう、ずばり、『Goldenhand』、『黄金の手』なのです!
ガース・ニクスご本人の手によるタイトル発表の瞬間をごらんあれ。10月ですよ。早く読んでみたいですねえ。訳したいなあ〜。
(M.H.)