翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

翻訳勉強会(2−4)

 昨日、勉強会の会場にしている川越の絵本カフェ「イングリッシュ・ブルーベル」( Ehon Cafe - English Bluebell - )さんへ行くと、お店の前面に咲き誇っていた白いバラは、連日の暑さで散っていました。ああ、もう少し楽しみたかったのに……。

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 というわけで、花よりダンゴ、お店の前に実っていた野イチゴを摘んで、そのまま口に。ごちそうさまでした。あ、店主のKさんから「食べてみて」と言われたからですよ。

 

  課題の『ペーパーボーイ』は、ようやく主人公が新聞配達を始めるところまで進みました。

 

● たまには文法的な解説を。

 I had been meaning to have it sharpened. は、どう訳すのか、という質問がありました。

 

「実現しなかった意図や計画、願望など」を表わすのに、mean, intend, wish, hope,  expect などを過去完了にして目的語をto不定詞にするか、過去形にして目的語をto have p.p. という完了不定詞にする用法があります。

 I had meant to call him. 「彼に電話するつもりだったのだが(できなかった)」

 = I meant to have called him. 「 同上 」

 

 ただし、これは口語ではあまり使われないようで、

 I meant to call him, but didn't [couldn't]. と言うのがふつうのようです。

 

 上の文は、さらにそれを過去完了進行にしていますね。

 I had been meaning to have it sharpened.  ( it = the knife )

 「ぼくは前からずっと、そのナイフを研いでもらうつもりでいたのだが(研いでもらっていなかった)」 という意味になります。have it sharpened は、have + O + p.p. で、「Oを〜してもらう(〜されてしまう、自分で〜し終える)」ですね。

 

 助動詞の使い方で、I should have finished the work yesterday. 「その仕事は昨日やっておくべきだった」というのがありますが、これとちょっと似ています。

 

 えーと、たぶん、そういうことだと思います。はなはだ自信がありませんが、いちおう受験参考書にはそのように書いてあると思います。もう、あまりこの形式は出題されないようですが、課題にしている作品は、時代設定が1959年ということもあるのでしょう。

 

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 W400 がかわいそうなので、せめて、と思って昨日は川越まで乗っていきました。緑が見られて、ちょっぴりうれしそうです。

(M.H.)