翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

1st ステージ 第16節 AWAY vs サンフレッチェ広島

 4−2 ('26 関根、'40 宇賀神、6月18日(土)@エディオンスタジアム広島)

 鹿島、ガンバ、広島と、上位チームに3連敗。大宮に襟首をつかまれている。うーむ。大宮より下はいやだゾ……。

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  柏木に替えて、駒井をボランチの一枚で先発させた。後半73分の3枚替えで、陽介が入ったあとも、駒井は右サイドで走り続けた。京都で経験があるらしいが、ドリブルでもちあがりながら起点を前に動かしていくボランチは、陽介とはちがった特徴があっておもしろい。ここ数試合の起用に応えられていないという思いが強いのだろう、最後まで走りきった駒井に拍手!

 広島の2点目はコーナーからの塩谷の豪快なボレー、4点目は陽介のパスをかっさらわれての寿人の技ありシュート。この2点は流れの中から崩されたわけではない。連戦の疲れによる体力・集中力の低下、勝てていないことによる焦りなどが出た結果だろう。

 こういうことを考えても、長丁場におけるミシャサッカーの限界を感じる。常にワンタッチでパスを出す相手を考えながらのサッカーは、時にゴールから遠ざかる。しかも、ここのところ、パススピードが落ち、ツータッチが増えている。

 虎視眈々とゴールを狙う、という感じがなく、パスワークの中からリズムの変化なくシュートに入るのでシュートに力がない。この日、久々のゴールが決まったが、関根のシュートも、宇賀のシュートもいいゴールではあったが、打ちぬくシュートではない。ああいうシュートも必要だが、狙い澄ましてボールの速さでキーパーを破るシュートが見られないのは、そういう前段階に原因があるんじゃないだろうか?

 

 ミシャの3枚替えで、ああ、だめだ、と思った。負けてる時にやるが、記憶ではうまくいったためしがない。それに引き換え、広島の寿人への交代は効果的だった。寿人みずからゴール裏のサポをあおり、スタジアムの雰囲気を変え、ゴールを決めた。終了間際のウタカから皆川への交代も、勝ち切るための有効な交代だった。

 

 広島の、いや、森保の、というべきか、選手を見る目の的確さが際立つ。ドゥグラス、ウタカと、よそのJチームからとった助っ人がゴールランキング首位を毎年争う。この日の1ゴール目の柴崎も、川崎から広島へ行って躍動。甲府から入った柏もそうだ。若手の浅野、茶島を時間を区切り、試合を選んで出場させながら育てている。寿人の時間限定の使い方、代表にも一時選ばれた皆川、怪我あとの清水航平の復帰ぶり、長期間にわたって右サイドに君臨するミキッチの絶対性など、選手に合わせた起用法がすばらしいと思う。うらやましい。

 ミシャは、自分のシステムに合うかもしれない、と思った選手をとってくるが、フィットしない選手も多いし、今年のように連戦が続くのがわかっているのに、那須や平川、橋本や加賀の有効な起用ができていない。年間を通じてのマネージメントの問題なのだ。だからリーグ優勝は大変で、だから価値がある。フロントは三菱問題もあるだろうが、来年の編成を真剣に考えるべきだ。

 

 さて、水曜日。ホームにF東を迎える。厳しい日程だが、現実的なサッカーで勝ちきりたい。

(M.H.)