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翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

『ゴーストドラム』復刊

 絶版になっていたスーザン・プライスの『ゴーストドラム』、金原先生が自ら訳文に手を入れて、サウザンブックスから近々出版されます。そして、第2部、第3部もクラウドファンディングで出る予定。

ゴースト・ドラム―北の魔法の物語 (Best choice) 

(これは福武書店から出ていた旧版の表紙です。)

  サウザンブックスは、基本、クラウドファンディングで購入する人から資金を集めて翻訳ものを出版する会社で、これ自体とても面白い試みです。ものによっては、その後もファンディングで資金を出していない読者にも買えるようにしています。

 くわしくはこちらを。→【 THOUSANDS OF BOOKS 】

 

 で、『ゴーストドラム』ですが、わたしは読んだかというと、じつは翻訳の勉強を始めたころ、バベル翻訳学院の金原先生の授業で教材に使われていたのでした。ですから、自分でも、まあ、ある意味、翻訳していたのです。でも、あんまりよく覚えていません。暗くて冷たい雰囲気と、鶏の足の上に立っているバーバ・ヤーガの家のイメージだけが強烈に残っています。

 金原先生の授業は半年コースを五回とったのですが、扱った作品はなんだったか思い出してみました。

 

『ゴーストドラム』(スーザン・プライス作、金原瑞人訳、福武書店→サウザンブックスで復刊)

『チャス・マッギルの幽霊』(『ブラッカムの爆撃機』所収、ロバート・ウェストール作、金原瑞人訳、福武書店→岩波書店で復刊)

『トラヴィス』(スーザン・ヒントン作、金原瑞人訳、原生林)

『五月の鷹』(アン・ローレンス作、斎藤倫子訳、福武書店)

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(『五月の鷹』は、円卓の騎士ガウェインの物語。訳は同じ教室で机を並べていた先輩の斎藤倫子さんです。アーサー王伝説はまったく知らなかったのですが、この作品をきっかけに、少し、ほんの少しかじりました。) 

 

 うーん、もうひとつあるはずなんですが、なんだったのか思い出せません。コーミアの『ぼくが死んだ朝』? いや、ちがうような……。

 いずれにしても、まだ日本におけるヤングアダルト翻訳の創世期と言ってもよく、プライス、ウェストール、ヒントン……、作者も粒ぞろいで未訳の名作がごろごろしていたのだろうと思います。いや、たぶん、今でも、ただめぐりあわせが悪くて未訳の名作がたくさんあるような気がします。

 すでに、この中から1作が復刊され、2作めが今まさに復刊されようとしています。金原先生の目の確かさがよくわかりますね。でも、そのころの自分が、それぞれの作品の良さをわかっていたかというと、はなはだ疑問で、毎週、一生懸命訳してはいたものの、正直、そこまでの余裕がありませんでした。もちろん、自分のテイストにあっているかどうか、というのもあるでしょうが。

 今、似たようなことを自分の勉強会でやっていますが、メンバーの皆さんはどう感じているのか、月曜日の会で聞いてみることにしましょう。

(M.H.)