翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

『ぼくはアイスクリーム博士』

 ピーター・シスの絵本です。

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『ぼくはアイスクリーム博士』(ピーター・シス作、たなかあきこ訳、西村書店)。

 

 うーん、なんだこのポップで明るい色使いは! わたしの知ってるピーター・シスじゃない(笑)!! 『星の使者』や『生命の樹』の、どこか陰のある、大人の絵本的な雰囲気とは大ちがい。パステル調の色彩で、明るく楽しい絵本なのだ。

 

 でも、やっぱりシスらしいところもあって、ほらね、この感じ。ちゃんとアイスクリームの歴史を説明してくれるし、船の形の中に図解を入れ込んだりして、やっぱりシスなのです。

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 こういうのもやりたいのに、なかなか明るく楽しい絵本の仕事は回ってきません。ま、今まで訳した本のラインナップを見れば、当然ですが……。

 田中亜希子さんが、うらやましい。

 

 ふと、気づいて、カバーをとってみたら、ちがう絵が出てきた! 左はカバーの裏、右がカバーをはずした表紙そのものです。表紙と同じ絵は中にも使われていて、わたしもこの絵がいいなあ、と思っていたので納得。でもね、本の中では、この絵の次の場面が楽しいんですよ……。ぜひ、実際に本を手にとって確かめてみてください。まあ、なんとなくわかりますよねえ。これだけ高く積み上げちゃってるんだから……。

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 これから暑くなる季節にピッタリの絵本だと思います。

 

 

 

 わたしのシスも、ついでに宣伝しとこう。

星の使者―ガリレオ・ガリレイ 生命の樹 チャールズ・ダーウィンの生涯 飛行士と星の王子さま: サン=テグジュペリの生涯 (児童書)

 

(M.H.)