昨日、11月3日の東京新聞書評欄で、拙訳『キャパとゲルダ──二人の戦場カメラマン』を、米田綱路さんがとりあげてくださいました。
「稀代の「キャパとゲルダ」の誕生から死までを描く佳編である」とのご紹介。ありがとうございます。たくさんの人に読んでもらいたい。
この書評は、今ならウェブでも読めますので、ぜひ。
「二人の共同作業それじたいが、人生の不朽の名作なのである」と書いてくださっていますが、まさにこの本は、二人がどういう影響を互いに与えあい、また、それぞれが自己実現を求めてどう生きたかがよくわかります。
さらに、ぜひ読んでもらいたいのが、このノンフィクションを書いたマーク・アロンソンとマリナ・ブドーズの二人のあとがき。キャパとゲルダ同様、互いを仕事・人生のパートナーとして認め合い、時にはライバル関係にもなりながら刺激しあう様子がよくわかります。共同執筆の良さなのか、作品の中立性というか、構成の工夫やバランス感覚が作品に現われているように思えます。
じつはわたしは、このキャパとゲルダのことをずっと前から知っていたし、気にもしていて、ほかの伝記も読んでいるのですが、まわりの人に聞くと、キャパは知っていても、ゲルダのことは知らない人、あるいは、キャパも知らない、という人が案外いて、そうなのか、とちょっと驚いています。
自分の好きな人やものは、みんな好きだと思いこむくせがあるので、少し反省。
でも、二人を知らない人にも、丁寧に、でもバランスよく紹介している作品です。二人とも戦場で命を落としたのですが、読めばやる気が出る本です。
(M.H.)