翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

全国書店紹介(1)「ちいさいおうち」@長野県松本市

 おかげさまで『ぼくは川のように話す』、あちこちでたくさんの方がとりあげてくださっていてとてもうれしい。とくに全国のいわゆる独立系書店さんのSNSでの紹介は、日本中に個性的な本屋さんがあって、そこで自分の訳書をおいてくださっているのだと思うと、とても感慨深いです。

 というわけで、この本をとりあげてくださったことがきっかけで知った、あちこちの書店さんを(そして以前から存じ上げていた本屋さんも)紹介してみようと思いたちました。題して、全国書店紹介(そのままじゃん)。近くの方はのぞいてみてほしいし、こうした書店さんのSNSで本を知った方は、送料が少しかかっても、情報料と思ってぜひその書店さんから買ってほしいなあ、と思います。

 

 トップバッターは長野県松本市にある「ちいさいおうち」さんです。1980年開業ですから、すでに40年。子どもの本の店としては老舗ですね。店主の越高一夫さんは、朝日新聞の書評欄も担当されていて、わたしの訳書も何度かとりあげていただいています。HPも充実していますよ。

www.chiisaiouchihon.jp

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『ぼくは川のように話す』2刷出来!

 おかげさまで『ぼくは川のように話す』(ジョーダン・スコット文、シドニー・スミス絵、拙訳、偕成社)、早くも2刷ができました! 読者のみなさん、ありがとうございます。まだの方はぜひ。

 今日は、図書館本だとフィルム貼られて見えなくなってしまう本体表紙の絵を、こっそりお見せしておきます。買ってちょうだい(笑)。それにしても、どうです、この川面の水しぶきの表現。表現矛盾だけど、シドニー・スミスは「偶然を計算できる」んです。

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『バーナバスの だいだっそう』新刊予告

『バーナバスの だいだっそう』9月24日、学研プラスより発売予定です。どうぞよろしく。

 NetGalley(ネットギャリー)での一部公開が始まりました!

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 バーナバスは、ゾウとネズミの遺伝子を掛け合わせて作られた人工ペットですが、不良品のレッテルを貼られ、「作り直される」運命に。でも、バーナバスは、同じ「できそこない」の仲間たちと力を合わせ、地下工場からの脱出を図ります。果たして……?!

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『ぼくは川のように話す』@MOE Web by 広松由希子さん

 MOE Web で、広松由希子さんが『ぼくは川のように話す』を紹介してくださったのですが、その紹介文がすばらしいです。シドニー・スミスの絵の尋常ならざるテクニックを、みごとに言葉で説明してくださっています。いや、ほんとにすごいです、彼のテクニックは。

www.moe-web.jp

 

 訳者としてうれしかったのはもちろんですが、絵本の書評として、広松さんの文は一読の価値があると思います。『このまちのどこかに』の良さも触れてくださっていて、シドニー・スミスのファンとしてもうれしいかぎり。

 広松さん、ありがとうございました。みなさんもぜひ、この書評、読んでみてください。

 

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(M.H.)

 

タイからやってきた『帰命寺横丁の夏』

 柏葉幸子さんの『帰命寺横丁の夏』の英訳版、"Temple Alley Summer"、訳者でタイ在住のエイヴリ・フィッシャー・宇田川さんから送っていただきました。原作と同じ、佐竹美保さんのイラストレーションが素敵です。中には、やはり佐竹さんの描いたカットがたくさん。造本も、一部紙の色を変えたりと、とても丁寧な凝った造り。原作はどうなってるのかな。

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 宇田川さんとは、以前JBBYのイベントでご一緒したことがあるご縁ですが、わざわざタイから送ってくださいました。ありがとうございます!

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『サブリエル』25周年

「古王国記」の第1巻『サブリエル』の原作、『Sabriel』の25周年記念バージョン(といっても原作の英語版ですが)が発売されました。買ってしまった。

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 カバー絵は1996年のアメリカ版表紙と同じ、Leo & Diane Dillon。この絵に惹かれて買った原書を、当時リーディングをしていた主婦の友社の編集者さんと相談して、翻訳出版に至りました。そう、当時は主婦友でファンタジーを出していたんです。その後、『ライラエル』『アブホーセン』と古王国記三部作を訳しました。同じガース・ニクスの「曜日シリーズ」も出してもらいましたし。でも、今は絶版(泣)。

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私的1985年夏

 昨日は映画「Summer of 85」のことを書きました。なぜこういうタイトルになったのかは、映画を観てもらって、パンフレットを読んでいただくとわかります。(あ、公式サイトを見てもわかる、と思います。)

 それはさておき、自分は1985年夏になにをしていたのか、というと、イラクのバグダッドにいました。当時勤めていた会社の現地工事がイラン・イラク戦争でいつまでたっても終わらず、その間ずっと、会計報告をイラク当局にしなければならず、一年に一度、ひと月ほどバグダッドに滞在し、毎日ほとんどすることもなく、ホテルのプールで泳いだり、テニスをしたり、チグリス川にかかるアダミヤ橋のふもとで、タイ料理をごちそうになったり(これを説明するとややこしいので、別の機会に……)していたのです。

 (Twitter "Iraq Now" より、チグリス川とアダミヤ橋)

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『Summer of 85』来週8月20日公開!

 すでに何度かご紹介してきた、エイダン・チェンバーズの『おれの墓で踊れ』を映画化した『Summer of 85』、いよいよ来週金曜日8月20日から、全国各地でロードショーが始まります。

summer85.jp

 パンフレットに原作との比較について書かせていただき、昨日、その見本がとどきました。とってもカッコいいパンフレットです。こんな洒落た映画パンフ、見たことない!

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