翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

翻訳の周辺

「おすすめ! 世界の子どもの本」2022

JBBY(日本国際児童図書評議会)から、「おすすめ! 世界の子どもの本──JBBY選 日本で翻訳出版された世界の子どもの本──2022」が届きました。 2021年1月〜12月に日本で出版された海外の子どもの本の中から選ばれた65冊の本が紹介されています。表紙は荒井良…

『グリーン・ロード』

来週発売予定の『グリーン・ロード』(アン・エンライト作、伊達淳訳、白水社EXLIBRIS)です。これも、訳者の伊達さんからいただきました。帯にある、「アイルランド文学賞受賞作」からわかるように、アイルランドの作品。素敵な装幀ですね。岬の緑と、アク…

『バーナデットをさがせ!』

昨日に引き続き、いただいた海外文学紹介第2弾。勉強会や訳文チェックなどでお世話になっている北村みちよさんの訳書。 『バーナデットをさがせ!』(マリア・センプル作、北村みちよ訳、彩流社、2022年11月30日刊) これもまた目を引くカバーです。装幀は…

『「幸せの列車」に乗せられた少年』

ここのところ、立て続けに、知り合いの翻訳者さんから、ご自身が訳した本を送っていただいています。読んでから紹介しようと思っていると、積読状態になり、やがて紹介するのもはばかられるくらい時間が経ってしまうので、この何冊かは、とにかく紹介するこ…

戦争をする国にするな

今日は真珠湾攻撃の日だ。 総選挙前の心配が現実のものになってしまった。社会保障費をけずり、増税し、子育てにかかる費用を個人任せにし、教育を親の経済状態に左右されるままに放置している。出生率は下がり続け、経済は停滞し、社会も停滞している。自公…

御礼「だから翻訳は面白い」(於朝日カルチャーセンター)

今日は夕方、新宿住友ビルの朝日カルチャーセンター内で、越前敏弥さんの主催されている「だから翻訳は面白い」の講座にお招きいただき、「海外児童文学・YA文学に描かれる戦争と差別」というテーマで話してきました。重いテーマではありますが、楽しくしゃ…

JBBY新・編集者講座 広松健児さん

先週の木曜日、JBBY新・編集者講座 第8期第3回「こんなことを考えながら、子どもの本を作ってきた」で、偕成社の広松健児さんの講座を拝聴しました。おもしろかった、というか、ためになりました。広松さんは、『ぼくは川のように話す』の担当編集者さんだ…

「日本児童文学」11・12月号  特集「森へ川へ」

「日本児童文学」の11・12月号がとどきました。特集が「森へ川へ」。おもしろい切り口です。 写真集『ノースウッズ』で土門拳賞を受賞された大竹英洋さんのフォトエッセイ、木曽の森近くにお住まいで、翻訳家・JBBY会長のさくまゆみこさんの森についての論考…

『コピーボーイ』装画

原作者のヴィンス・ヴォーターさんが、ご自身のブログで、日本版『コピーボーイ』の装画を絶賛されています。訳者としても、とてもうれしい。 ヴォーターさんのブログはこちら ↓ http://www.vincevawter.com/11/four-reasons-i-like-the-japanese-cover-for-…

「小中高校生の吃音のつどい」

11月2日、水曜日の午後、「小中高校生の吃音のつどい」というワークショップ活動にたずさわっている佐藤隆治さんとお会いしてお話をうかがい、また、わたしの感じていることを聞いていただきました。佐藤さん、ありがとうございました。 佐藤さんは会社勤め…

『世界はこんなに美しい アンヌとバイクの20,000キロ』

昨日に続いてオートバイの話。 来週10月26日発売の絵本、『世界はこんなに美しい アンヌとバイクの20,000キロ』(エイミー・ノヴェスキー文、ジュリー・モースタッド絵、横山和江訳、山烋(さんきゅう)発行、工学図書発行・発売 2000円+税)のご紹介です!…

『森のなかの小さなおうち』(エリザ・ウィーラー作、ひらおようこ訳)

『森のなかの小さなおうち』(エリザ・ウィーラー作、ひらおようこ訳、三辺律子監修、工学図書、1800円+税)という絵本をいただきました。 いたばし国際絵本翻訳大賞、最優秀翻訳大賞受賞作です。訳者のひらおようこさん、フェローの通信講座で、ついこのあ…

「だから翻訳は面白い」12月3日(土)、朝日カルチャーセンター・新宿教室

越前敏弥さんから声をかけていただいて、12月3日の土曜日、午後3時半〜5時の予定で、朝日カルチャーセンター新宿教室で、「海外児童文学・YA文学に描かれる戦争と差別」というお題でしゃべります。 詳しくはこちらを。 https://www.asahiculture.jp/course…

大阪出張

月曜、火曜と大阪出張してきました。 これはライトアップされた大阪城。石垣の石の大きさにはびっくり。 京都で、お盆に行けなかった墓参りをすませ(大谷祖廟)、青山豆十本舗(https://aoyama-mamejyu.wixsite.com/mamejyu)で青山さん一家とおしゃべり(…

高麗山(こまやま)

『ぼくは川のように話す』が、産経児童出版文化賞をいただいたお祝いに、版元の偕成社さんから、予算内で好きなものをあげる、と言われて、いただいたのが、中学校の時の恩師、西村丈彦先生に描いてもらった、生まれた町、平塚の風景画です。 南から北をのぞ…

『スラムダンク』熟読中。

今さら、という感じもしますが、現在『スラムダンク』熟読中であります。これからとりかかる某作品がバスケ物なので、ちょっと予備知識を入れようと思って。 『ブライアーヒルの秘密の馬』を共訳した澤田亜沙美さんから借りた『スラムダンク』ですが、澤田さ…

『日本児童文学 7・8月号』は、ホラー特集

しばらく更新を怠っていたのは、 1. 毎日暑くてぐったりしていたから、2. 参院選後の統一教会問題とそれに対する政府与党の対応にげんなりしていたから、3. ウクライナで相変わらず人が死んでいてやりきれなかったから、4. ミャンマーでの…… とまあ、うんざ…

選挙に行こう。

#投票ポスター2022 より、川名潤さんのポスターです。「投票ポスター2022」は、いろいろなイラストレーターさんのポスターがあります。使い方については下のリンクを参照してください。 装幀家の川名潤さんは、昨日アップした「BOOKMARK 緊急特集2022」で、…

「BOOKMARK 緊急特集2022」

「BOOKMARK 緊急特集2022」がとどきました。 ウクライナでの戦争もあり、今回は、「Books and Wars 戦争を考える」という緊急特集号です。タイムリーな号を、限られた時間で編集、出版された、金原先生、三辺さん、関係者のみなさんに感謝します。 29人の寄…

「西村丈彦まちかど個展」@平塚

今日は生まれ育った平塚へ、中学校時代の先生の個展を見にいってきました。 6月19日(日)まで。平塚駅北口すぐの元麻布ギャラリーです。お近くの方はぜひ。時間帯によっては、西村先生たちのブルーグラス、ウクレレなどの演奏が楽しめます。 hiratsuka-moto…

第69回産経児童出版文化賞、贈賞式

昨日は明治記念館でひらかれた贈賞式に出席しました。 関係者のみなさん、ありがとうございました。絵本の翻訳ですから、原作者のジョーダン・スコットさん、絵を描いたシドニー・スミスさん、偕成社の担当編集者、広松健児さん、とちょっぴりわたしがもらっ…

小学館世界J文学館、11月刊行!

小学館から、若い読者むけの、新しい形の世界文学全集が、この秋、出版されます。題して「小学館世界J文学館」。世界の名作125作品が、一冊のガイド本+電子書籍で5,500円という、画期的な形式で発売されます。 www.shogakukan.co.jp 上のリンクから小学館…

『ぼくは川のように話す』、第69回産経児童出版文化賞に選定!

第69回産経児童出版文化賞の翻訳作品賞に、拙訳『ぼくは川のように話す』(ジョーダン・スコット文、シドニー・スミス絵、偕成社)が選定されました。ありがとうございます! 翻訳作品の評価は、とりわけ絵本は、原作の力によるところが大きいわけですが、…

カナダの絵本作家特集@「月刊 MOE」5月号

「月刊 MOE」5月号の「気になるカナダの絵本作家たち」という特集で、わたしが訳した『夜のあいだに』『バーナバスのだいだっそう』(ファン・ブラザーズ作・絵)、『ぼくは川のように話す』(ジョーダン・スコット文、シドニー・スミス絵)もとりあげてい…

写真展 「ST KILDA」へ行ってきました!

丸の内のFUJIFILM Imaging Plasa Gallery で開催されている、加藤秀さんの写真展、「ST KILDA」に行ってきました。 『セント・キルダの子』を翻訳した関係で、加藤さんから写真展のご案内をいただいていたのです。イギリス、スコットランドの北西の海上に浮…

第5回ブックハウスカフェ大賞、賞状がとどきました!

先日お知らせした、第5回ブックハウスカフェ大賞、金賞の賞状がとどきました。「ブックハウスカフェ」のスタッフのみなさん、ありがとうございます! スタッフのみなさんによる選評(いわく、スタッフ放談)の模様は、下のインスタライブから見られます。み…

セント・キルダ諸島の写真展

わたしが翻訳した『セント・キルダの子』を読んでくださった、写真家の加藤秀さんから連絡をいただき、まさにその、セント・キルダ諸島を撮影した写真展が、丸の内のFUJIFILM Imaging Plazaで、3月16日〜4月4日の会期で開催されるとのこと。 コロナ禍にもか…

『ぼくは川のように話す』、ブックハウスカフェ大賞に選定!

神田神保町の子どもの本の専門店、ブックハウスカフェさんのみなさんが選ぶ、第5回ブックハウスカフェ大賞の絵本部門金賞に、『ぼくは川のように話す』が選ばれました! 絵本部門☆金賞☆『海のアトリエ』作:堀川 理万子(偕成社)『ともだちのいろ』作:き…

国際アンデルセン賞(2022年)、最終候補者発表

昨日はIBBY(国際児童図書評議会)のウクライナ紛争に対する声明をお知らせしましたが、ほんとうは、こちらをお知らせしたかったんです。2年おきにIBBYが選ぶ国際アンデルセン賞(Hans Christian Andersen Award)の今年の候補者のショートリストが発表され…

IBBY(国際児童図書評議会)のウクライナ紛争に関する声明

IBBYは、昨日2月26日付で、ウクライナの子どもたちを気づかう声明を出しました。英語ですが、以下のリンクから読めます。 https://www.ibby.org/about/statements 冒頭の抄訳です。 「戦争は、昔から、罪のない人たち、とりわけ、すべての子どもたちを苦しめ…