翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

ビーナスラインからメルヘン街道(1)

 5月11日(月)、久々のツーリング。

 朝、5時半出発。関越に乗ると、すぐに寒さを感じる。上下ともヒートテックを着ていたが、最初のSAに入り、GOLDWINの3シーズンジャケットの下に、セットのインナーを着込む。

 横川SAで朝食後(最近、SAにはよくパン屋が入っているが、ここもそう。フィレオフィッシュが美味)、東部湯の丸SAで休憩、給油。ここでBMWのサイドカー5台に遭遇。ちょっと話を聞く。いくつか初めて知ったことがあるので、メモしておきます。

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(1)サイドカーはどうやって曲がるのか?

 ハンドルを切ったり、体を左右に傾けたりはするのだが、同時に、アクセルを開閉するのだそうだ。つまり、上の写真のように、サイドカーが左でバイクが右についている場合、サイドカーには駆動輪がないので、バイクのアクセルを開けると、右側が前に進もうとする、すなわち、左に曲がる。アクセルを閉じると、その逆で、右に曲がろうとする力が働くというわけ。

 うーん、理屈はわかるが、実感はわかない。ちなみに、ブレーキはバイクの後輪ブレーキ(フットブレーキ)と連動して、サイドカーのブレーキが効くそうだ。

 

(2)側車は、左右どちらにつけてもかまわない。

 車の右ハンドル、左ハンドルみたいなものらしい。事実、5台のうち、左右異なるものが混じっていた。

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(3)サイドカーにバイクメーカー純正はない。

 BMのマークをつけたサイドカーもあったが、純正ではないとのこと。話をしてくれた人のサイドカーは、ワトソニアン(?)という、イギリスのメーカーのサイドカーだった。(一枚目の写真の黒いやつがそう)

 面白いことに、サイドカー乗りは、側車のことを「舟」というらしい。初めて聞いたが、たしかに形が舟っぽいし、納得。

 

(4)側車とバイク本体を連結しているステーはリジッド。

 なんか、どっかにダンパーやスプリングみたいなものがあって、互いの車体の暴れを吸収してるんじゃないかと思っていたが、そうじゃないらしい。まあ、そんなものがあったら、運転しにくいかもしれない。だから、操作を誤ると(だいたいが、スピードの出し過ぎらしいが)、簡単にくるりとひっくり返るそうだ。くるり、と二人の人が手を回して説明してくれたのだが、よくわからなかった……。

 たぶん、バイクは縦に2輪、サイドカーの車輪がその横に1輪だから、ブレーキやアクセル操作を誤ると、その三角形の斜め前の車輪がないところにむかって、尻から前転するようにひっくり返るらしい。ハイサイドみたいな感じか?   なんとか言う、日本のサイドカーメーカーだか、代理店だかの社長さんが、それで亡くなったそうだ。

 

(5)パッセンジャーを乗せてない時は、40〜50キロの重りを乗せている。

 まあ、考えてみれば、人が乗った状態を想定して設計してあるのだから、当然といえば当然か。ちなみに、5台のうち、たしか、3台はご夫婦で、奥様を舟に乗せているようだった。

 それで、思い出した。昔、社宅のアパートにハーレーのサイドカー乗りの先輩がいたのだが、奥さんはアパートの敷地内で乗るのが恥ずかしくて、表に出て待っていた。その話をしたら、一人の奥さんが、「仲間がいるから大丈夫」とおっしゃった。ご主人は、「まあ、一種のキ◯◯◯集団ですから」と。

 でも、なんかうらやましい。そもそも、地上1メートルもないところに顔があるパッセンジャーは、高速で100キロ出したら相当のスピード感だろう。そんなところに乗ってくれる奥さんや彼女がいる男は幸せに決まっている。

 

 そういえば、昔はGPレースのサイドカー部門があったはずだが、今もあるんだろうか?

 

 と、まだ東部湯の丸のSAの段階で、こんなに書いてしまった。

 家から東部湯の丸インターチェンジまで、134km。

 

 (その2)に続く。(M.H.)