翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

『夢の番人』

 拙訳『ハーレムの闘う本屋』の中には、ラングストン・ヒューズとローレンス・ダンバー、二人の黒人詩人の詩が引用されています。

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( The Dream Keeper and Other Poems )

 書影は、ラングストン・ヒューズの詩集で、奥付を見ると、このブライアン・ピンクニーのイラストが入った版が出たのは1994年のようです。『ハーレムの〜』の翻訳にあたって購入したのですが、この詩集がいい! イラストとのバランスも絶妙。

  6月20日の朗読セミナーの時にもっていこうと思っていたのに、忘れてしまいました。22日に、セミナーに参加していただいた方のブログを紹介しましたが、その方の引用していたのが、この詩集のタイトルにもなっている、"The Dream Keeper"(「夢の番人」)です。( 『ハーレムの闘う本屋』朗読会 | きみにさちあれ。 )

 

 ちょっと本の中身を紹介。

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『ハーレムの〜』の中で、スヌーズというあだ名の少年が、ヒューズの詩を読んでこう思います。

 

「うーん、なんでヒューズはこういうことを知ってるんだろう? まるで、おれの頭の中にいるみたいだ。心を読まれてる気がする。」

 

 そう、これこそが詩の魅力なんでしょうね。で、その詩を翻訳するのはなかなかむずかしい。その話は次回。(M.H.)