昨日は通算10回目の翻訳勉強会。
ウェストールの短編 "Blind Bill" も、あと少し。この日は最後まで行くと思っていたのですが、そこはウェストール、なかなか一筋縄ではいかず、半ページを残して終わりませんでした。
「めざせ文学!」
終わると言っても、当番の人が訳してきたものを出席者で検討し、自分の訳文とくらべたり、原文の意味を確認したりする作業が終わる、という意味ですね。
ということは、一人で翻訳している場合を考えると、「通し訳+チェック一回目」が終わった、というところでしょうか。普通ですと、ここから、もう一度、二度、読み直しをし、編集者に提出し、編集者の鉛筆が帰ってきたら、それを検討し、入稿して初稿のゲラをチェックし、再校チェック、場合によっては三校チェック、となると思います。
もちろん、通し訳が一番手間がかかるわけですが、原稿から本にするまでのファインチューニングというか、かっこうつけて言えば、「作業の結果を文学にする」とでも言いましょうか、とても大切なプロセスが残っていると考えたほうがいいでしょう。
まあ、そうは言っても、このプロセスを通過して本になったはずの自分の訳文に、文学以前のミスがまたまた見つかったりもするわけで、翻訳はむずかしいです。でも、少なくとも心構えとしては「めざせ文学」なのです。
次回は全体の原稿の直しと、タイトルを考えてくることを宿題にして散会しました。
さて、この日、一番驚いたのは、出席者のOさんと一緒にやってきた小学校一年生の娘さん。インフルエンザによる学級閉鎖ということで、勉強会の会場である川越の絵本カフェ、「イングリッシュブルーベル」(Ehon Cafe - English Bluebell -)の二階の部屋で、お母さんの隣にすわって2時間大人しく読書三昧。小学校一年生ですよお。いやあ、絵本だけじゃなくて、お話の本をぐいぐい読んでました。うーん、児童文学の翻訳者としてみれば頼もしいかぎり。
お店の外で咲いていたスノードロップのように可憐な女の子でした。あの調子だと、わたしの訳本を読めるようになる日も近いでしょう。
(M.H.)