このところ、ずっと自分の訳文をチェックしています。もちろん原文の英語と対照することもありますが、基本、ずっと日本語をいじってます。
『エベレスト・ファイル シェルパたちの山』のゲラのチェックが終わったと思ったら、次の作品の通し訳ができたので、その訳文の見直しに入りました。それが終わったら、増刷を機会に出版済みのものを読み直します。みんな自分で書いた日本語です。
当然のことながら、それぞれ、時代も舞台も主人公の年齢も性格もちがうんですが、ぜんぶ、自分が書いた日本語でできています。不思議といえば不思議なことです。ちゃんと原作のトーンの違いを日本語で表現できているのか、心配になってきます。だって、みんなわたしが書いた日本語なんだから、みんな原田っぽくなってるはずです。
自分の文章ですから、そもそも違和感が少なく感じるのですが、その中から違和感を見つけだして、一生懸命ならして、削って、変えていきます。なめらかにしたり、尖らせたりしていきます。
でも、全部自分で書いた日本語です。だいじょうぶか?
読者は、基本、その日本語だけを読みます。そうして、風景を立ち上げ、人物を思い浮かべ、セリフを楽しみ、笑ったり泣いたりします。いや、してくれるといいな。
翻訳は日本語だ!
ん? 疲れてる?
(M.H.)