翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

大人の顔

 浦和サポは原口元気が好きだ。生え抜きはみんなかわいいが、元気は別格。

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 おととい、埼スタでのワールドカップ二次予選、みごと5−0でアフガニスタンを破って最終予選進出を決めた日本代表。元気は先発し、ゴールこそなかったものの、中盤ダイヤモンドの右、あるいは左で躍動した。

  小学校時代から県北の江南南で有名だった元気は、レッズのジュニアユース、ユースと順調に育ち、ユース時代にはひとつ上の山田直樹、浜田水輝、高橋峻希、永田拓也らと圧倒的な強さで高円宮杯を制覇。ユース時代からトップに合流し、最後は背番号9をつけるまでになった。目下ブンデスで3位、CL出場権がとれそうなヘルタ・ベルリンでほぼレギュラー定着している。渡独して、結婚もして、また一段と大人の顔になった。

 やはりサッカーをやっていたうちの息子と同世代(一個下かな)なので、子どもの活躍を見るようにずっと見守ってきた。サポはみんなそうだろう。おとといの代表選の選手入場時など、うちの家内は涙ぐんでいた。埼スタ凱旋、とも言えるから。サッカー観戦の楽しみのひとつは選手の成長を見ること。若い選手の成長を追っていくのはほんとうに楽しい。体が大きくなっていく、立ち居振る舞いが堂々としてくる、なにより顔が大人の顔になっていく。

 元気はもともとやんちゃな選手で、自己主張が強く、先輩たちを押しのけてでもボールにさわりつづける選手だ。レッズ入団当初はふてくされる時もあったが、次第に自分をコントロールできるようになり、体も強くなって、なんだか足も速くなった気がするし、守備もするようになって、ブンデスではそこも評価されている。なにより、サッカーに対してまっすぐな気持ちがプレーにダイレクトに出る。そういう選手をサポーターは応援する。(ま、暢久の場合は、ちょっとちがうが……笑)

 アフガニスタン戦のフォーメーションは、中盤がダイヤモンドの4−4−2。アンカーに長谷部、ダイヤモンドの左に柏木、右に元気という先発陣。おお、まさに浦和レッドダイヤモンズじゃないか! 時に柏木とポジションチェンジして見慣れた左サイドに回った時は、見ているこっちもドキドキした。ヘルタでは右も多いようだが、やはり、左45度、ドリブルからのカットインシュートはレッズ時代の元気の代名詞だったからね。

 

 大宮とのダービー。元気がドリブルでDFを一人二人と交わし、角度のないところから倒れこみながら決めた同点ゴールをゴール裏から見たことがあるが、あれは、たぶん一生忘れないだろう。

 

 長谷部も元気も、レッズに帰ってきてほしいが、帰ってくるな、とも思う。

(M.H.)