翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

翻訳者別の棚を作る!

 藤沢市の湘南大庭市民図書館で、今、翻訳者別の棚を作って本を貸し出してくださっています。とりあげられている訳者は、金原瑞人さん、村上春樹さん、さくまゆみこさん、三辺律子さん、千葉茂樹さん、灰島かりさん、大嶌双恵さん、そして、わたしの8人です。

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 4月23日までの展示だそうです。お近くの方はぜひ! 

 同図書館に勤務の司書さんが、展示の写真を送ってくださいましたので、許可を得て転載しました。

 

 すべて面だし、しかも、もう、何年も前に訳して絶版になっている作品もあるので、書店ではなかなかできない棚です。児童書やヤングアダルトが中心ということもあり、なじみのタイトルが並んでいるのもうれしいですね。

 なにより、普段は作者の五十音順にならべられている本が、こうして訳者別にまとまっているのが、なんか誇らしいというか、くすぐったいというか……。ぱっと見、それぞれの訳者の作品は、絵本あり小説あり、幼年向けありヤングアダルトあり、と、幅広いラインナップなのですが、どこかに訳者の好みが出ているように見え、つい、じーっと表紙を順に眺めてしまいます。

 

 これ、書店ではむずかしくても、ぜひ、全国の図書館で真似してほしい企画です。展示当初から、よく借りられているそうですよ。やはり、訳す本には翻訳者の好みが出るので、どれか読んで面白かったら、その訳者の別の訳書もきっと趣味にあうと思うので、本を借りていく読者の皆さんにも楽しい企画なんじゃないでしょうか。

 そして、翻訳者はほかにもたくさんいるので、これからも、こういう企画をまたやってほしいと思います。純文学、ミステリ、SF、ファンタジー、ノンフィクション、といった、ジャンルごとの翻訳者別もおもしろいでしょうし、英語以外の言語の翻訳者を特集するのもいいんじゃないでしょうか。これ、10回でも20回でもできる企画展示になると思います。

 

 この記事を読んだ方で、図書館関係者にお知り合いのいらっしゃる方は、ぜひ勧めてみてください。あ、書店でも、ぜひ! 

 

 

 藤沢市湘南大庭市民図書館の皆さん、ありがとうございます!

 

(M.H.)