翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

心躍る時

    最近、翻訳に関連して、心踊る瞬間がいくつかありました。

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(緑がきれいなエノキ。)

 

     その1。ラスト3ページになったところで、作者のテクニックに「うわーっ」と思ったこと。

 くわしく書けませんが、ゾクゾクしました。ここを自分の日本語でうまく料理しなきゃいけません。でも、とりあえず作者のアイデアに感心。  むろん、原書は訳す前に読んでいるから、結末は承知しているのですが、200ページ訳してきてここにさしかかると、また、ちがった感動が……。

 これだから翻訳はやめられません。

 

     その2。これも具体的には書けませんが、別の仕事のこと。

 いつもは編集者さんに「これ訳したい!」と提案して、企画が通れば「やった!」と快哉し、逆に「これ、訳しませんか?」と言われて、読んでみておもしろければ「やります、やります!」と訴える、というやりとりがあるわけですが、この仕事はちょっとちがう経緯でした。

 前から好きな本だったのですが、一度はよそで見送られ、出してくれる出版社はないかもしれないなあ、と思っていた本を、突然、「やりませんか?」と言われたので、もちろん、その場で「やります、やります!」と二つ返事で引き受けました。それが数ヶ月前のこと。そろそろ準備をと思い、周辺情報を集めていて、ふと、思いました。「ん? あの編集者さん、この作品のどこをどう気に入ったんだろう? ちゃんと聞いてなかったなあ」

 で、あらためて訊ねてみました。返ってきたメールを読んで納得。自分とはちがう視点もあり、でもやはり、根底には作品への愛情があることがすごくよく伝わってきて、とてもうれしかった。そう考えると、今まで、編集者さんと訳す前にこれだけ具体的に作品の長所を確認しあったことがありませんでした。

 「いいよねえ、この本」「ええ、いいですよねえ」これでも、もちろん十分ですが、たまにはこうして編集者さんと翻訳する作品の良さを言葉で確認してから仕事にかかるのもいいものだ、と思った次第。

 いい本にしなきゃ、と余計にそう思います。

 

 その3。昨日、翻訳を通じて知りあったアメリカ人の若い友人から、英語の先生として「さいたま市に赴任する」というメッセージが。クリスくん、よかった、よかった。まずは埼玉スタジアムに連れていって洗脳しなきゃ。ちがうか……(笑)。

 

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 写真はイメージです。昨日の写真じゃありません。昨日は年チケを棒に振り、家で仕事をしてました。いえ、正確には、その時間、仕事を中断してテレビを見てました。昨日のレッズはいただけません。興梠のハットはすごいけど、2−0から、一時はひっくり返されるなんて、まったく、何やってんだか……。とくに槙野、口は元気だけど、体はそうとう疲れてるな。出ずっぱりだものな。ターンオーバーしろよ、ミシャ…。

 

(M.H.)