翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

"Hard to Understand, but ... " ── 翻訳勉強会(5−3)

 今日は川越での翻訳勉強会。会場のイングリッシュブルーベルさんの表の緑は、一段と濃さを増していました。バラの緑も濃くなっています。

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 今日は暖かくて、W400もすこぶる快調。

 自分もヒートテックいらず。

 

 課題の作品は最終章を検討中。もう少しでおしまい、というところで、"he became lost enough to find himself" というフレーズが出てきました。文脈の中でいろいろな解釈ができそうなところです。常套句ではないかとネットで探していたら、ロバート・フロストの "Directive" という詩が出てきました。

 原作者はどうやらこれを意識しているのではないかと思われ、しかし、だからと言って、ピタリと訳が出てくるわけもなく、今日、このことを皆さんに紹介したので、もしかしたら、次回、すばらしい訳が出てくるかもしれません。メンバーの皆さんに期待しています。

 

 しかし、いくつかフロストのこの詩のことを解説しているサイトを見ましたが、一様に、「フロストは難解だ」「私はこう解釈したが……」「本当のところは、作者にしかわからない」などという文句が散見されます。ネイティヴがそうなのだから、いわんや日本人においてをや。

 そして、この詩のことを解説しているあるサイトのタイトルが、"Hard to Understand, but Easy to Love" でした。言い得て妙。「よくわからんが、いい詩だ!」。詩の本質かもしれません。隅々まで理解してるのは作者だけ、というか、読者は勝手に解釈していい、というべきか。

 でも、それを訳せと言われたら、翻訳者は大変なのだ。

 

 

 これはお店の前に咲いていた 迷子ならぬ「迷い花」 。店主のKさん、植えた覚えがないそうです。きれいな紫色で、しかも花弁の先がちりちり。美しい。この花を見て、わたくし、"Stray Tulip" という詩を書いてみました。

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 あ、いや、書こうと思ったのですが、あまりに発想が豊かなわたしは、言葉が入り乱れ、うまくまとまりませんでした。

 

 どなたか、ぜひ!

 

(M.H.)