今日は川越の絵本カフェ「イングリッシュブルーベル」さんで、『クマのプーさん』を課題にした読書会でした。
これは岩波の愛蔵版。中は横書きで紙が黄色。挿絵は彩色してあって、ちょっと、うーん、という感じ。おやつはプーの好きなハチミツ入りのケーキと紅茶でした。
恥ずかしながら、初めて読みました。いや、読んだとは言えず、今回も半分くらいしか読めなかった。あれこれ原書はどうなっているんだろう、と気になり、ネットで英語の原文が見られるので、それを確かめているうちに……。いや、そもそも読み始めるのが遅かったのですが。
イギリスにプーの舞台を訪ねたという、プー大好きの店主Kさんには失礼なくらい不勉強なわたしですが、どういう話か少しわかりました。子どものころには読んでおらず、大人になっても手を出さずでしたが、ある年齢に達してしまうと、男の子が自分から手を出す本ではないように感じました。
ダジャレ的な言葉遊びもあり、翻訳は大変だったろうと思います。石井桃子さんの訳(1940年、1956年に改版)は少し古いところもあるので、今度、2017年の森絵都さんの訳も読んでみようかな。作者のミルンが息子のクリストファー・ロビンに語りかける体裁で、そのロビンもプーの世界に登場するし、時おり質問もしたりするので、声色を使い分けての読み聞かせなどもいいのではないかと。絵も楽しい、というか、すばらしいので、子どもを膝に乗せて読んでやるのが最高かも。
下の写真、左はなんと、Kさん所蔵の初版本! 木に登るプーの横に、文章が縦にならんでいるのがいいですね。くっきりとした活版印刷で、文字が目に飛び込んでくるような気がします。右の岩波の愛蔵版では、ページの色もちがうし、絵に色がついていて、文字は木の横にはならんでいません。絵は白黒のほうがいいかなあ。シェパード自身がのちに彩色したらしいですね。
Kさんの初版本の表紙がこちら。濃い緑の地に金の箔押し。眼福とはこのことでしょう。
子どもの本のあり方として、ちょっと他の作品とは、いろんな意味で一線を画しているように感じました。うまく言えないけれど、本という物としても、挿絵入りの童話としても、お話の作り方としても。
(M.H.)