翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

レッズ、ACL準決勝へ

 昨日はアジアチャンピオンズリーグ準々決勝2ndレグ。ドローながら、アウェイゴール数で上回り、上海上港を下して準決勝進出。興梠のゴールはみごとだったし、なんどもチャンスを作れた。なぜJリーグでこれができない、と思うが、サッカーは相手があってのスポーツだから。

 相手は中国のチーム、旭日旗でもめないか、ちょっと心配していたが、チームからの通達、指導もあって、北ゴール裏も横断幕もちゃんと対応されていた。よかった。

 上海も激しく来たが、いやな感じではなく、フェアに戦っていたと思う。中国や韓国のチームと毎年のように戦ってきたが、運営の努力で、だんだんとサッカーの中身だけで戦う、気持ちのいい試合が増えていると感じる。

 なのにオリンピックでの旭日旗許容の官房長官をはじめとする閣僚の発言は、信じられない。ほんとうに、「信じられない」レベルの発言だ。ここまでスポーツの世界でもいろいろあったけれど、さまざまな人たちの努力で、それは中国や韓国のチームの努力も含むのだが、無意味な対立を減らしてきたのだ。それを無にするのか、と言いたい。

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(ゴール直後、興梠を囲むレッズ選手。なぜDFの槙野がすでにここにいるのか?)

 

 旭日旗はいろいろなところで使われていて、朝日新聞の社旗にもなっているし、日本の伝統的な図案であることはまちがいないけれど、太平洋戦争で軍旗として使われ、アジア諸国に多大な損害をもたらした日本軍の象徴であることも事実なのだ。

 アジアサッカー連盟は、ACLの運営にあたって、旭日旗の使用をチェックしていて、一昨年の川崎サポの行為が問題とされたのは報道されているとおり。埼スタに毎試合掲出されているレッズサポの横断幕の一部に、旭日旗のデザインが施されたものがあるのを知っているので、昨日は気になって、スタジアムに着いたらすぐに見たのだけれど、そこに日の丸を貼り付けてきちんと対処されていた。

 だれがなんといおうと、東アジアの人たちが、旭日旗を、ナチスドイツの鉤十字と同等にみなすのは、仕方のないことで、時間がたったからとか、もっと昔から使っているからとか、そういう問題ではないのだ。残念ながら、これは、相手がどう受け止めるかの問題であって、旭日旗の歴史がどうかという問題では、もはやなくなっているのだと思う。

 エンブレムや旗というのは、ただのものではないところがややこしいなあ、といつも思う。レッズサポも、昔、旗竿につけた旗をグランド内におろしていて、運営のスタッフが踏んでしまい、騒動になったことがある。ただの布なのに、ただの布じゃないのだ。デザインだって、鉤十字(逆卍)とお寺の卍とか、大麻のデザインのTシャツとか、つっこみどころはいろいろあるのだけれど、知らなかったじゃすまないことがあるんですよ。知らずに使っているのか、知って誇示するために使っているのか、見ただけじゃわからないんだから。

 

 とにかく、レッズは勝って、今日の鹿島と広州の勝者とあたる。正直、鹿島より広州のほうが勝ち目がありそうなのが悔しいが、とにかく、昨日はサッカーの内容はよかった。角度をつけたパスや逆サイドへの展開、積極的な守備。みんなよかった。

 幸せな気分で帰途についたら、東上線がストップ。家についたら1時を回ってた……。

 

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(昨日のビジュアル。"This is Urawa" と赤い旗をバックスタンドに。)

 

(M.H.)