翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

翻訳はモチベーションだ!(翻訳勉強会@川越)

 今日は川越での翻訳勉強会の日。

 メンバーの方が、昨日の文学フリーマーケットで出会った日英の翻訳をされているアメリカ人女性のMさんをお誘いし、今日は特別ゲストで参加してくださいました。いやあ、おもしろい2時間+α でした。

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(これは、勉強会のメンバーが参加している『翻訳編吟(ぺんぎん)』という冊子です。早くも5冊め。版権切れの作品を翻訳して集めてあります。文学フリマで昨日も販売されました。)

 

 で、Mさんですが、小学校のころにセーラームーンにはまり、そこから日本語の勉強を始め、アニメやビデオ、さらにライトノベルの翻訳で実績を積み、今ではご自身の出版社を立ち上げ、いずれは好きな作家さんでまだ紹介されていない作品を翻訳出版したい、というお考え。

 幼いころからの日本語の勉強方法や、ご両親の教育方針、翻訳への熱意(一日中翻訳していたいとの発言に、メンバーは絶句)、とにかく刺激を受けました。まあ、このあたりは勉強会あとのお茶しながらの話。(あ、すべて日本語で。)

 勉強会の最中は、どうしても原文のあいまいなところはネイティヴスピーカーに尋ねたくなるのが人情というのもので、何度かお考えを伺って、おもしろかったです。もちろん、辞書やさまざまな情報源で調べられるのですが、幼い頃からその言語で育った方の発言には実感がこもっています。

 今日、話にあがったのは、freak の語感や、drive ってどこ、このセリフはタメ口か、などなど。

 

 なんかね、わたしの下手な説明より、こういう方とお話するほうが、よっぽどやる気を充填できるわけで、翻訳はモチベーションだ、と思うわけです。Mさん、また来てほしいけど、フロリダからじゃ、そうそうはむずかしいか……。あと2週間あまりの日本滞在、楽しんでください。

 

 それにしても、「セーラームーン」は偉大なり!

 

(M.H.)