月曜日にNHK総合の「プロフェッショナル仕事の流儀」で、庵野秀明さんの回を見ました。いや、おもしろかったです。じつはエヴァンゲリオンは全然知りません。なんなら、マジンガーZとも区別できないくらい(と言ったら、両方のファンからたたかれそうですが……)。
(火曜日のテニスコート横の桜。ここのところ咲くのが早くて、温暖化が怖い)
でも、超絶おもしろかった。できた作品を知らなくても、どうやって作ってるかは、たいていとってもおもしろい。同じNHKの「漫勉」のシリーズも大好きですが、作品を知ってる漫画家はわずかです。いや、そんなこと言ったら、シェフの方とか、宮大工さんとか、スケートリンクの整備の方とか、だれも知らないわけで、それでもこういう仕事の裏側を描くものはほとんどおもしろいです。まあ、プロフェッショナルはやらせの話もあったり、ナレーションがクサイなあとか、構成がわざとらしいとかあるんですけど、最後に番組の作り方に突っ込む庵野さんの言葉を使ってたのも締めとしておもしろかったし、誠実さも少し感じました。
しかし、あそこまで身を削って作品を作るのはなぜなんでしょうね? 高い評価を受けている人だし、興行収入のあてもあるから、スタッフに無理言って、時間とお金をかけて作れるのでしょうが、逆に考えると、そういう評価を受けるようになるためには、庵野さんのような強いこだわりや、いい作品にしようという情熱(というか、彼の場合は病と言ってもいい)がなければならず、そこはぐるぐる回っているんでしょう。
で、翌日、今訳している絵本の作家と画家をリモートでつなげたインタビューがネットに上がっていたので、それを視聴。これもおもしろかった。どの作品とはまだ言えませんが、印象に残ったのは、作家はテキスト30回以上書き直したらしい。この人、いつも書き直すたびに数えているそうで、最近出した詩集は300回以上書き直したそうです)。画家のほうも20回以上描き直したページがあると言ってました。それも、出版社に言われた締め切りに間に合わなくて、そのページ抜きで送っておいて、言われてから送るという体裁で、ちょっと時間稼ぎをしてまで絵の出来にこだわっています。
庵野さんもプロだから、最後は締め切りに合わせてふんぎりをつける様子も映っていましたが(それがなきゃプロじゃないしね)、そこまではもう、粘る粘る。
というわけで、自分ももっと粘ろう、と反省しました。
(原田)