丸の内のFUJIFILM Imaging Plasa Gallery で開催されている、加藤秀さんの写真展、「ST KILDA」に行ってきました。
『セント・キルダの子』を翻訳した関係で、加藤さんから写真展のご案内をいただいていたのです。イギリス、スコットランドの北西の海上に浮かぶ群島。きびしい自然の中で、かつては人が暮らしていたのですが、今は残されたソーエイ種の羊たちと海鳥だけが暮らす、世界遺産の島々です。
すばらしい写真展です。東京駅からすぐ。入場無料で予約も必要ありません。4月4日まで。関東のかたはぜひ! 4月27日から5月16日までは、大阪でも開かれます。上の写真は今回の写真展で展示されている写真をふくむ写真集。セント・キルダ諸島に関する資料も載ってます。
加藤さんに直接お話をうかがいながら、贅沢な時間をすごしました。昨年の夏、コロナ禍の中で撮影に行かれたそうです。海が荒れると上陸できない島なので、数時間の猶予の中での撮影だったそうです。これまでもセント・キルダ諸島の写真は本やウェブで見ていたのですが、大きく引き伸ばされた写真は大迫力でした。
中でも、この一枚にはしびれました。いきなり海面からそそりたつ、高さ150メートルを超える岩礁です。白く見えるのはシロカツオドリ(とその糞)。
そして、人が暮らしていたあとが、なんともいえず、せつない。家の中から外を写しています。羊もいますね。今はもう野生化しています。
めずらしい海鳥たちの写真も。
これはニシツノメドリ(パフィン)。ペンギンブックスの児童書部門のパフィンって、こいつですよね? この写真はけっこう近くから撮影されたそうです。夏だけ嘴が赤くなります。
(*写真転載の許可は得ています。)
加藤さん、ご案内、ありがとうございました。また行きたい、とおっしゃっていたので、「ST KILDA 2」が楽しみです!
セント・キルダ諸島は、日本ではあまり知られていないのですが、特異な歴史をもつ、文化的にも地理的にも特別な場所です。ご興味のある方は以下の関連書を。
(M.H.)