翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

「BOOKMARK 緊急特集2022」

「BOOKMARK 緊急特集2022」がとどきました。

 ウクライナでの戦争もあり、今回は、「Books and Wars 戦争を考える」という緊急特集号です。タイムリーな号を、限られた時間で編集、出版された、金原先生、三辺さん、関係者のみなさんに感謝します。

 

 29人の寄稿者が戦争にまつわる作品を紹介しています。目次だけ、載せちゃいます。錚々たるメンバー。

 

 今回は、読んだ本がない(泣)。

 

 深緑野分さんの、『ファシズムの教室 なぜ集団は暴走するのか』(田野大輔著、大月書店、1600円)の紹介文の一部を抜粋します。

「私たちの持つ高揚は利用されやすく、特に権力者はこれを使いたがる。……高揚感につられて結束した人々は、国防を理由に「敵」への攻撃欲求を正当化し、他国への侵略や虐殺を容認する。国民の支持を得た国は軍事費を増やし準備を整える。世論が戦争支持に傾けば、反戦を訴える人は「非国民」と糾弾される。かつて日本も同じ道を歩んでしまった。」

 この本の著者の田野大輔さんは、大学の講義の一環でナチスを体験する授業を行なっているそうだが、たしかこの話はラジオでご本人からきいたことがある。学生たちは一時的に、ほんとうに差別意識や高揚感を感じるのだそうだ。

 

 「かつて日本も」と深緑さんは書いているが、参院選を控え、自民党は、姑息にも国防予算の大幅増や改憲を大声では謳わずに選挙戦を展開している。しかし、自公維新らの勢力が拡大すれば、憲法改悪と軍備増強は必至で、今また、その道を歩みかけている、と言ってよいのです。これだけ国民の家計が逼迫しているというのに、何を考えているのか?

 そして、こんなに国中に原発があるのに、いくら軍備を増強しても、直撃を受ければおしまいではないか。粘り強い国際関係の構築しか平和維持の道はない。一時の米ソの軍拡競争から、軍縮の道を経てきた歴史を考えず、また、すでに自衛隊関連予算は世界の中でも一桁の順位だというのに、さらに軍備増強に税金を使うなどとんでもない。

 

 みなさん、選挙に行きましょう。

 

(M.H.)