『森のなかの小さなおうち』(エリザ・ウィーラー作、ひらおようこ訳、三辺律子監修、工学図書、1800円+税)という絵本をいただきました。
いたばし国際絵本翻訳大賞、最優秀翻訳大賞受賞作です。訳者のひらおようこさん、フェローの通信講座で、ついこのあいだまで、わたしのヤングアダルト講座をとってくださっていた縁で、送っていただきました。
この本、作者のおばあさんが6歳のころに移りすんだ、森のなかの小さな家での暮らしを、淡い色調の水彩(?)で描いています。世界大恐慌のさなか、父親が病死し、母親と8人の子どもたちが送った森の中の暮らしを、作者がおばあさんから聞きとった話をもとに絵本に再現したものです。
きびしい自然の中での暮らしは、同時に、自然の恵みによって生かされた暮らしでもあったようです。つらい生活だったはずですが、お母さんときょうだい、工夫しながらの暮らしぶりが豊かなものにも思えます。画面いっぱいに描かれた子どもたちそれぞれの様子を丹念に見ていくのも楽しい。お母さんのさみしさも描かれていて……。
見返しの地図をちょっぴり。こういう絵地図、大好き。
ひらおさん、ありがとうございました。
みなさんも、ぜひ!
(M.H.)