翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

ガース・二クス氏も朗読!!

「こんな時だから本を読もう!」勝手にキャンペーン第4弾は、なんとガース・二クスさんも自作の朗読を始めました! 

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 幼年向けの短編集、"One Beastly Beast" の中の一編、"The Princess and the Beastly Beast" です。これはわたしの訳が出ていますが、もう絶版だと思うので、図書館で探してくださいね。『海賊黒パンと、プリンセスに魔女トロル、2ひきのエイリアンをめぐるぼうけん』の中の一編、"The Princess and the Beastly Beast"、「王女と怪獣」です。

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 冒頭を少しだけ。

 

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「城壁の上に怪獣がいるよ」クロリンダ王女がいいました。「血まみれの(ブラディ)こわーい怪獣だよ」

「『超(ブラディ)こわーい』だなんて、そんなことばづかいはやめなさい、リンダ」

 お母さんのアルバ王妃はうわの空でいいました。王妃はグランドピアノの前にすわり、娘のほうをみもしません。オペラを作曲するのにいそがしかったからです。王妃は結婚する前は女戦士として活躍し、結婚したあとも、ときおり戦場にでていましたが、最近は武器や鎧をしまい、作曲にかかりきりです。あと四、五年、リンダを女戦士にするための訓練をはじめるまでは、こういうくらしをしていくつもりでした。

 作曲家なのですから、王妃はしょっちゅう歌を口ずさみ、何時間もピアノの前にすわっています。

「そういう意味でいったんじゃないよ」リンダはいいました。「ほんとうに血まみれのこわーい怪獣がいるんだ。ぺったり血がついてるから、きっと、しょっちゅう、ぞっとするようなことばかりやらかしてるんだ」

「じゃあ、衛兵にいっときなさい」王妃は片手で鍵盤をポロポロ鳴らし……。

(『海賊黒パンと、プリンセスに魔女トロル、2ひきのエイリアンをめぐるぼうけん』(ガース・二クス作、原田勝訳、主婦の友社)

 

 こいつが、「血まみれのかいじゅう」です。

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 たこ焼きじゃありません。イチゴジャムをぬりたくったブタのホラチウスです(笑)。

 

 挿絵は Brian Biggs 。二クス氏がもってるやつより、こっちのバージョンのほうが挿絵が断然かわいい。クロリンダ王女とお父さんの王様もついでに。

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 みんな、本、読んでね!

 

(M.H.)