本・映画
『戦場の希望の図書館』(デルフィーヌ・ミヌーイ著、藤田真利子訳、創元ライブラリ)を読みました。仕事の参考図書として読みはじめたのですが、すばらしいノンフィクション作品です。翻訳も読みやすい。 シリア内戦下、2012年から16年まで、4年間にわたっ…
カチャ・ベーレン作品紹介第3弾は、先週発売されたばかりの『ぼくたちは宇宙のなかで』(原題 "The Space We're In" )。評論社から、こだまともこさんの翻訳で。 なんて魅力的なカバーなんでしょう。日本語版の装画は嶽まいこさん、本の装画をたくさん手が…
カチャ・ベーレン作品紹介、第2弾。 『ブラックバードの歌』は千葉茂樹さん訳、あすなろ書房から、昨年の10月に出ています。 原題は "Birdsong" 、リチャード・ジョンソンの挿絵が入っています。日本語版は、千葉さんの訳に、鈴木まもるさんの挿絵。100ペー…
川越の絵本カフェ『イングリッシュ・ブルーベル』さんで、古典児童書を読む会がありました。いつもは翻訳物を読むのですが、今回は宮沢賢治の「どんぐりと山ねこ」。岩波少年文庫の『注文の多い料理店』が指定だったのですが、うまく借りられず、世界文化社…
というわけで(承前)、カチャ・ベーレン作品の紹介です。 『わたしの名前はオクトーバー』(こだまとこも訳、評論社)。原題は "October, October"。2022年のカーネギー賞受賞作です。最初に原題を見た時、変わったタイトルだな、これはなにかあるぞ(?)…
高校のソフトテニス部OBの合宿で山中湖へ。帰りに道志道を走り、道の駅そばのもくめ書店に寄ってきました。酒井さん、お元気でした。 緑と川の流れで涼しく、クーラーなしで店内で食事。アイスコーヒーとカレー、おいしかったです。細長いインドのお米とさっ…
ホーンブック・マガジンの7/8月号をめくっていたら、アメリカの作家、パム・ムニョス・ライアンさんの、ALA(全米図書館協会)の2024年度 Children's Literature Legacy Award(児童文学功労賞とでも訳すのでしょうか?)の受賞インタビューが載っていまし…
「製本と編集者」という雑誌、というのか、ムック、というのか、とにかくそういう本があって、十七時退勤社というところから出ています。2022年の11月にvol.1が出て、昨年、2023年の11月にvol.2が出ました。 毎号、編集者の方三人に入念なインタビューを行…
『オリンピア』は、まだ新しい出版社、北烏山編集室レーベルの第1作です。この版元を立ち上げた樋口真理さんは、三省堂時代にわたしの訳書の編集をしてもらいましたし、じつはわたしと同じ、神奈川県立湘南高校のソフトテニス部出身なのです。
今日は川越の絵本カフェ「イングリッシュブルーベル」さんで、古典児童書を読む会がありました。課題本は『風にのってきたメアリー・ポピンズ』。子どものころに読んだかどうか、さだかではありません。映画で見た、なんとなく傘につかまって飛んでくるイメ…
少し更新がとどこおっていたのは、ウクライナの戦争が終わらず、そこへもってきてガザの問題が起き、日本の政治はひどい状況で、そういうことについて書くのはしんどいからでした。とにかくどちらも早く休戦してほしいし、今の政権には早く退陣してもらいた…
今日も絵本の紹介です。 『お日さま おそい みんなも おそい』(フィリップ・C・ステッド文、エリン・E・ステッド絵、金原瑞人訳、カクイチ研究所/ぷねうま舎) あんまりきれいに写ってませんが、タイトルや著者・訳者名は箔押しです。 原作者は『エイモ…
『冬の蕾 ベアテ・シロタと女性の権利』(岩波書店)は、日本国憲法の草案づくりにたずさわったアメリカ人女性、ベアテ・シロタ(Beate Sirota Gordon、1923-2012)と日本、日本国憲法との関わりを描いたマンガです。作者は、わたしも学生のころよく読んでい…
『モナのトリ』(サンドラ・ポワロ=シェリフ作、水橋はな訳・書き文字、新日本出版社)を訳者の水橋さんから送っていただき、読みました。 フランスにやってきた難民の女の子の話。表紙に描かれている黒い鳥が、難民の人には一人一羽ずつ、いつもいっしょに…
以前、『ぼくは川のように話す』を扱ってくださっている全国書店紹介で紹介させていただいた、福岡・西戸崎にあるコーヒー屋さん、「Sleep Coffee and Roaster」、併設の書店「ナツメ書店」さんの毎朝のYouTube動画、今日、7月11日(月)のものです。 www.yo…
先週の金曜日、平塚へ行った帰りに大船で下車、以前から気になっていた「ポルべニールブックストア」さんにお邪魔してきました。大船駅から徒歩5分くらいでしょうか。 店主の金野さんと少しおしゃべり。前に拙訳『ぼくは川のように話す』をSNSでとりあげて…
シン・ソンミさんの絵本、翻訳は清水知佐子さん。なんてきれいな絵。韓国の伝統的な画法なんでしょうか。登場人物たちが着ているのは韓服? お隣の国のことなのに、ほんとうに疎い。 熱が出て寝込んでいる男の子の前に、ちいさな、やはり韓服を着た女性のよ…
おかげさまで、『ぼくは川のように話す』は4刷が出て、すでに発売半年余りで1万部を超えました。たくさんの方に読んでもらってとても幸せです。 今日は、某書店さんの依頼で、朝から訳者サイン。どんな読者さんの手に渡るのか楽しみ。
著者の繁内さんは大阪府の公立図書館の職員で、2005年から「児童文学書評ブログ、おいしい本箱 book cafe」に書評を書いていらっしゃる方です。 【 児童文学書評 おいしい本箱 book cafe | 児童書・YA・絵本、もちろん大人の本もたくさん紹介します。】 月刊…
海外文学の紹介リーフレット、BOOKMARK19号がとどきました。いわゆる「鈍器本」、分厚い本特集です。 金原先生の巻頭言と、桜庭一樹さんの寄稿文がいいです。今回、いつもとちょっとちがうのは、本の厚さを誇示するように、背表紙やら、立てて並べたものやら…
先日の読書会の課題本が、アーシュラ・K・ル=グウィンの『影との戦い』だったので、ル=グウィンの物語作法の本を購入し、あちこち拾い読みしていますが、翻訳に通じるところがたくさんあって、おもしろい。 第1章は、1. the sound of your writing という…
柏葉幸子さんの『帰命寺横丁の夏』の英訳版、"Temple Alley Summer"、訳者でタイ在住のエイヴリ・フィッシャー・宇田川さんから送っていただきました。原作と同じ、佐竹美保さんのイラストレーションが素敵です。中には、やはり佐竹さんの描いたカットがたく…
すでに何度かご紹介してきた、エイダン・チェンバーズの『おれの墓で踊れ』を映画化した『Summer of 85』、いよいよ来週金曜日8月20日から、全国各地でロードショーが始まります。 summer85.jp パンフレットに原作との比較について書かせていただき、昨日、…
荻窪の書店「Title」の辻山良雄さんのエッセイ集『小さな声、光る棚』を半分くらいよみました。 絵葉書は本と一緒に同封されていたもので、お店の写真ですね。訪ねたことはありませんが、そのうちに行きたい。エッセイはとても心地よい文章ですが、辻山さん…
今日は寒川町民センターでの人権講座でお話ししてきました。参加してくださったみなさん、主催の寒川町民センターのみなさん、ありがとうございました。 コロナの影響で2月の予定が延期されたにもかかわらず、再度申し込んでいただいた方もいらっしゃって、…
イギリスのYA作家で児童文学の研究者でもあるエイダン・チェンバーズさんの作品、『おれの墓で踊れ』が、フランスの映画監督、フランソワ・オゾンによって映画化されました。それが『Summer of 85』のタイトルで、8月20日、日本でも公開されます。 summer85.…
勉強会の仲間、北村みちよさんが訳した短編が収録されている、ホラー短編集『消えない叫び』です。かっこいい装幀ですねえ。理論社の「Scream! 絶叫コレクション」全3巻のうちの一冊。 北村さんは、わたしの卒業した湘南高校の後輩で、洋書の森のイベントで…
あけましておめでとうございます。関東地方はいいお天気が続いていますね。元旦、そして今日も、だらだらとテレビを見たり、昼寝をしたり……。ちょっと体がおかしくなりそう。 あ、本年もどうぞよろしく。 さっそくですが、三鷹の森ジブリ美術館で発行してい…
わたしの訳書をよくおいてくださっている、岡山の「スロウな本屋」の小倉さんが、「雛形」というウェブマガジンのコラムで、拙訳『セント・キルダの子』を紹介してくださいました。 www.hinagata-mag.com このウェブ・マガジン、レイアウトや写真がきれいで…
今日は、2ヶ月に一度の古典児童書を読む会でした。課題本はジョナサン・スウィフト作の『ガリヴァー旅行記』。わたしが読んだのは、福音館文庫の坂井晴彦さん訳のもの。読みやすい訳文でした。だ・である調。岩波の中野好夫訳は、です・ます調みたいです。 …