『マルコムX 伝説を超えた生涯』、BOOKMARK16で紹介されていた本ですが、買ってしまった……。上下各巻300ページ以上、それぞれの注と参考文献が50ページずつくらいあります。赤黒のカバーとマルコムの写真がすごい存在感。財布を痛めた分をとりかえすという意味もありますが、なにより、ブラザー・マルコムが「読め!」と言ってます。
どういう巡り合わせか、今、翻訳勉強会のひとつであつかっているのが拙訳『ハーレムの闘う本屋』。翻訳中の本が、マンデラ財団が課題に取り組むマンデラの姿勢をまとめた本、さらに、キング牧師の絵本。これからとりかかるのが、アメリカの黒人の冤罪訴訟を専門に扱っている弁護士ブライアン・スティーブンソンのインタビュー集。そこへもってきて、今回のアメリカでの Black Lives Matter の大きなうねりが重なりました。
マルコムXについては、ぼんやりとしかわかっていませんが、『ハーレムの闘う本屋』で黒人の本をあつかっていた書店主ルイス・ミショーとの親交を知り、それまで敬遠していた彼に親近感を抱いていたのですが、そこで止まっていました。
この本でしっかり読もうと思います。
きっかけになったBOOKMARK16。届いてます。
人物を扱ったノンフィクション特集で、巻頭言でブレイディ・みかこさんが、「良くできた実話はアレゴリーになり、小説になっていく。ノンフィクションがあってフィクションがある、という順番がわたしの持論だが、両者の関係は姉妹のようでもある。一見、妹のほうが派手で面白そうだが、地味な姉が奇なる姿を見せるときには妹はかなわない。」と書いていらっしゃいます。
コロナから、今のアメリカでの出来事や、日本の政治や経済、働き方の変容は、まさに妹にはかなわない姉のような様相を呈しているともいえます。いろいろ考えざるを得ません。
(M.H.)