翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

京都にて。

「スタンド・バイ・ミー」 琵琶湖疏水への船の上げ下ろしをしていたという軌道、インクラインの跡。後ろ姿は息子です。

コラム「再」再録「原田勝の部屋」 第61回 翻訳は楽しい ── 最終回に寄せて

★「再」再録も、これでおしまいです。ありがとうございました。考えながら仕事をするのは楽しいことです。なかなかその通りには行かないのですが……。(2017年09月23日「再」再録)★ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー コラム「原田勝の部屋」の再録…

コラム「再」再録「原田勝の部屋」 第60回 早いがえらい、か?

★最近はとくに、早くてうまい翻訳者になれればいいのに、と思うようになりました。でも、早くならない……。(2017年09月22日「再」再録)★ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー この回は、翻訳においては、仕事が早いのが必ずしもいいことではないのではな…

秋の空

数日前の夕焼け。少しずつ秋らしくなってきました。

コラム「再」再録「原田勝の部屋」 第59回 文体研究(5) ── 『ウェストール短編集』

★さて、文体をとりあげた最後の回ですが、原作者の文体と翻訳者の文体について少しふれています。翻訳者の場合は文体なのか、テクニックなのか、微妙なところですね。さらに、編集者さんの関与のことも……。(2017年09月19日「再」再録)★ ーーーーーーーーー…

コラム再録「原田勝の部屋」 第58回 文体研究(4) ── ピエロを探せ

★登場人物のバリエーションには、やはり作者の意図がこめられているはずです。中でも、三枚目の脇役は、そうとわかってせりふの処理をしないといけません。浮いちゃいけないけれど、目立たなきゃいけない。(2017年09月18日「再」再録)★ ーーーーーーーーー…

コラム「再」再録「原田勝の部屋」 第57回 文体研究(3) ── 『ザ・ブック・オブ・ザ・ダンカウ』

★英語の narrative は、「物語」でもあり、「語り口」「語りの」といった意味をもちます。narrate、narration と同根ですね。そう「書く、訳す」ではなく、「語る」のです。(2017年09月17日「再」再録)★ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…

大逆転!!

水曜日のACL準々決勝第2戦のホームゲーム。対川崎の初戦アウェイでは3−1で敗れ、絶体絶命。自分は仕事もあるし、シーチケ対象外なので、今の川崎にはもう無理でしょ、と思っていかなかったら、なんと4−1で大逆転!

『オオカミを森へ』見本出来!

9月20日発売です。よろしくお願いします。 ジェルレヴ・オンビーコさんのイラスト、最高です。うしろの雪の積もった針葉樹もきれいですねえ。わたしは若いころ、西シベリアに仕事で4ヶ月、それも秋から冬にかけて滞在した時、こういう針葉樹の森を見ました…

『弟の戦争』20刷

『弟の戦争』の増刷見本がとどきました。 累計44,000部。 大した数字ではないかもしれませんが、初版1995年から20年以上読まれていることがとてもうれしい。 と、同時に、今も世界のどこかで戦争が行われていること、そして、幼くして戦場に駆り出される子ど…

コラム再録「原田勝の部屋」 第55回 文体研究(2) ── 『雲母の光る道』

★この作品は、修飾語が多めの、どちらかというと「濃い」文体です。それが、少し昔のアメリカ南部という作品世界をよく表わしています。(2017年09月13日「再」再録)★ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー この回にとりあげた『雲母の光る道』の原…

『森のおくから』(レベッカ・ボンド作、もりうちすみこ訳)

訳したかったのに、訳されてしまった本シリーズ、第?弾! 『森のおくから ── むかし、カナダであった ほんとうのはなし』(レベッカ・ボンド作、もりうちすみこ訳、ゴブリン書房)が発売されました。 これ、好きな絵本です。原書の表紙。

コラム「再」再録「原田勝の部屋」 第54回 文体研究(1) ── 『フェリックスとゼルダ』

★作者(=翻訳者)と物語や登場人物との距離を、原文に沿って、あるいは原文の意図をくんで、近づけたり遠ざけたりすることが、文体を決めるひとつの要素ではないかと思います。(2017年09月11日「再」再録)★ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…

コラム「再」再録「原田勝の部屋」 第53回 文体を考える

★文章の内容だけでなく、文体という得体のしれないものが、翻訳という行為を通じてなお読者に伝わる不思議。いや、伝わるのか? というお話です。(2017年09月10日「再」再録)★ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 文体論はむずかしい。 訳文の文体は、日…

コラム「再」再録「原田勝の部屋」 第51回 原音主義

★欧米の人は、名前や地名の読み方にさほどこだわりがないようで、作者から「好きに読んでくれ」なんていう返事が帰ってくることもしばしば。日本人がこれほど名前の発音にこだわるのも、日本語のカタカナが表音文字だから。文字にしてしまうと読み方が一通り…

夏から秋へ

通勤路での初秋の風景。 東武東上線、東松山〜高坂間。

『オオカミを森へ』予約はじまりました!

『オオカミを森へ』、アマゾンで予約できるようになりました。 オオカミを森へ 作者: キャサリン・ランデル,ジェルレヴ・オンビーコ,原田勝 出版社/メーカー: 小峰書店 発売日: 2017/09/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る どうぞよろしく!!

古典児童書を読む会『若草物語』

月曜日は川越の絵本カフェ「イングリッシュブルーベル」さんで、古典児童書を読む会がありました。課題本は『若草物語』。 写真は福音館版の表紙(イラストはターシャ・テューダー)と、作中にも登場するブラマンジェ。おいしかった。

コラム「再」再録「原田勝の部屋」 第47回 「役割語」という考え方

★「役割語」、とても大切な考え方です。一方で、あえて役割語を使わないことも、作品の質を高めるのにとても大切だとわかります。いやあ、言葉はおもしろい。(2017年09月05日「再」再録)★ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 翻…

コラム「再」再録「原田勝の部屋」 第46回 作家の精神

★この後、訳書の原作者としては、『エベレスト・ファイル』の原作者、マット・ディキンソンさんにお会いすることができました。こうして作家の話を聞くと、ああ、やっぱり自分は作家にはなれないなあ、と思うのです。(2017年09月04日「再」再録)★ ーーーー…

『オオカミを森へ』

今月発売予定の拙訳『オオカミを森へ』(キャサリン・ランデル作、ジェルレヴ・オンビーコ絵、小峰書店)のカバー写真をいただきました。何度見てもいい表紙。 もうすぐ発売です。 この本の装幀は城所潤さん・大谷浩介さん(JUN KIDOKORO DESIGN)。

コラム「再」再録「原田勝の部屋」 第43回 束見本(つかみほん)

★この回では装幀のことをとりあげています。ブックデザインですね。判型、表紙、カバー、イラスト、紙、フォント、挿絵、レイアウト……。装幀によって、本はたぶんまったくちがった「もの」になります。今、訳している本は、なんと活字が緑色! 日本語版はど…

コラム「再」再録「原田勝の部屋」 第42回 文法の力

★文法は、意味を正確に把握するための助け船みたいなもの。大学受験の参考書にはイディオムや構文の説明も載っているし、ホントに為になります。見たくない、という気持ちはわかるけど、ぜひ!(2017年09月01日「再」再録)★ーーーーーーーーーーーーーーー…