翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

ガザ、とにかく停戦を。

 ちゃんと理解しようと思って本や新聞を読んでいるうちに、どんどん情勢が悪化していて、とにかく停戦してほしい。これは明らかにジェノサイドだ。しかも、それが21世紀の今起きていることが、どうにも悔しい。

 岡真里さんの緊急講義をまとめた『ガザとは何か』、多くの人に読んでもらいたい。

 

 ユダヤ人のホロコーストに関連する書籍を何冊か翻訳してきた身からすると、どうしてイスラエルがパレスチナに対してあんなことができるか不思議。いや、イスラエルだから、なのか。

 

 ハマスが先に手を出したからというが、それまでの経緯を考えてほしい。また、自衛権行使の要件が満たされた反撃の限度を戒める、国際慣習法上の「比例原則」という考え方も大事だと思う。

 いわゆる倍返し(どころではないが)を戒める考え方だが、以下のリンクにある、東京外大の伊勢崎賢治名誉教授の「比例原則」の解説と、停戦交渉の経験に裏付けられた提案には説得力がある。そして、日本はなにができるか、という提言も。

https://www.chosyu-journal.jp/heiwa/28594

 

 

 そして、今、訳しているのはウクライナのルポ。訳すのがつらい本だけど、大事な仕事なのでがんばります。

 

(M.H.)

 

『ねえ、おぼえてる?』シドニー・スミスさん、インタビュー

 昨日発売の『ねえ、おぼえてる?』(原題 "Do You Remember?")について、原作者シドニー・スミスさんのインタビュー記事が、版元の偕成社さんのHPに掲載されています。この本の制作について、彼の想いが語られています。

https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/a/ath/ath2404/

 

 

 うまく説明できませんが、なんというか、自分の体験やその時の感情、そして、それがどう記憶されて今の自分につながっているのか、そんなことを考えさせる本ですし、インタビューだと思います。

 ぜひ読んでほしい。

 

(M.H.)



気になっていた桜の樹

 いつもの一時間ツーリングのコース、田んぼの中に桜の木と石塔があって、ずっと気になっていたのですが、今日、ちょうど好天の桜開花中に通りかかったので、写真を撮らせてもらいました。

 

 右の石塔は明治41年に建てられた墓石で、周辺の田んぼの持ち主である農家さんがずっと守ってきたお墓なんだと思います。左の木はイチョウですね。春も秋も彩を添えてくれています。

 

 

 雲一つなく、涼しくて気持ちいい朝です。

 さて、お仕事。

(M.H.)

訳書リスト13(62冊目)

(62)『ねえ、おぼえてる?』

 (シドニー・スミス 文・絵、偕成社、2024年4月10日初版発行)

 "Do You Remember?"(2023、by Sydney Smith)

 カナダ、家族、絵本

 

 

〈オビ語録〉

「世界で注目される絵本作家が描く、思い出をめぐる家族の物語」

 

 編集は広松健児さん、ブックデザインはアルビレオさん、日本語版タイトル文字はシドニー・スミスさん自ら描いてくれました! 印刷は小宮山印刷さん、製本は難波製本さんです。

 ありがとうございました!

 

(M.H.)

 

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シドニー・スミスさん、アンデルセン受賞!

 日本時間の昨夜11時すぎ、IBBYの総会で、シドニー・スミスさんの国際アンデルセン賞画家賞の受賞が発表されました。おめでとうございます!

 

 ボローニャでのIBBYのプレスカンファレンスの模様は、こちらのYouTubeで見られます。

 https://www.youtube.com/watch?v=JeQOLLiyT5Q

 今年はJBBYが50周年ということもあり、広松由希子さんによる紹介、角野栄子さんのビデオメッセージ、降矢ななさんのスピーチもあります。

 最後のほうでアンデルセン賞の発表。

 作家賞はオーストリアの Heinz Janisch さん、画家賞がシドニー・スミスさんでした。

 

 IBBYのスミスさんの受賞紹介ページはこちら。

https://www.ibby.org/awards-activities/awards/hans-christian-andersen-award/hans-christian-andersen-awards-2024/hcaa-winner-for-illustration-sydney-smith

 

 奇しくも、明日、4月10日は彼の最新作『ねえ、おぼえてる?』の日本での発売日です。

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『ねえ、おぼえてる?』見本出来!

 4月10日発売予定の絵本、『ねえ、おぼえてる?』(シドニー・スミス 文・絵、偕成社)の見本がとどきました。

 以下、偕成社のWEBページより。

 

「ねえ、おぼえてる? パパと3人で、野原へピクニックにいったときのこと」
明かりを消したあとのベッドでかわされる母と子の親密な会話。
喜びと痛みをともなう思い出を受けとめて、新しい人生を歩みはじめる2人をてらす朝の光。
絵本の可能性をきりひらく作品で、世界から注目を集めるシドニー・スミスが、自らの子ども時代の体験を3年がかりで描いた、心ゆさぶる絵本。

https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784034254004

 上のリンクから、中のページが少し見られます。

 

 あまり言葉で説明したくない絵本です。ぜひ、手にとって、ゆっくりと、すみずみまで絵を見ながら感じとってほしい。

 翻訳は苦労しました。

 

 どうぞよろしく。

 

(M.H.)

 

うれしい知らせ

 第20回JAT(日本翻訳者協会)新人翻訳者コンテストの日英部門で、友人のクリス・クレイゴさんが最優秀賞を受賞しました! おめでとうございます。

https://jat.org/ja/news/twentieth_annual_jat_contest_winners

 クリス・クレイゴさんとの関係は、彼が卒論で拙訳『エアボーン』の英日翻訳を分析してくれて、その関係でいくつか質問を受けたのが最初でした。その後、埼玉県の職員として来日し、今はまたアメリカにもどっています。もともと、日本文学の翻訳をめざしていたと思うので、今後の活躍に期待しています。

 

 これは8年前の写真なので、クリスくん、だいぶ若いです。

 

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「製本と編集者」vol.1、vol.2

「製本と編集者」という雑誌、というのか、ムック、というのか、とにかくそういう本があって、十七時退勤社というところから出ています。2022年の11月にvol.1が出て、昨年、2023年の11月にvol.2が出ました。

 毎号、編集者の方三人に入念なインタビューを行なった記事がまとめられています。「はじめに」に書いてあるところによると、十七時退勤社は、出版社の営業をしている橋本亮二さんと、製本会社に勤めている笠井瑠美子さんが本を出す時の個人レーベルなんだそうです。

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「翻訳者、豊崎由美と読んで書く」vol.1

 書評家の豊崎由美さんと翻訳者たちが、翻訳文学を読んで書評を書き、その書評を相互採点し、語り合うという書評講座の記録です。講座を企画した新田享子さんや、運営やこのユニークな書評集の作成に携わっている翻訳者のうちの何人かが、ふだん勉強会でご一緒している縁で、創刊号をいただきました。

 おもしろい!

 100ページほどの本ですが、実際の書評と、それに対して豊崎さんとメンバーが語る対談記録、あいだにメンバーのコラムがはさまっていて、外国文学と翻訳と書評への愛があふれる興味深い読み物になっています。翻訳や書評にそれほど関心がない方にとっても、文学好きなら読みどころが満載。

 とりあげられている作品は、『ハムネット』、『掃除婦のための手引書 ルシア・ベルリン作品集』、『朗読者』、『喜べ、幸いなる魂よ』、『フォレスト・ダーク』……などなど。

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加藤秀さん、写真展行ってきました!

 もう先週のことですが、銀座のソニーイメージングギャラリーで開かれていた、加藤秀さんの写真展に行ってきました。

 スコットランドの島々をめぐって、何年もかけて撮りためた写真だそうです。お話もできて、ご主人にも会えて、楽しいひとときでした。

 印象的だったのは、何回か通って現地の人と交流することで撮れたポートレート。みなさん、いい表情でした。そして、会場で上映されていた美しいカラー映像。なんと、加藤さん自らドローンを操縦して撮影されたそうです。へブリディーズ諸島の美しい風景が楽しめます。ぜひ、見てほしい。

 東京は会期が終わってしまいましたが、1月30日から2月11日まで、京都写真美術館で開催予定です。関西方面の方はぜひ!

https://katoshu.art/article/2024/01/-oran-na-gaoithe.php

 

 加藤さん、ありがとうございました。

 

(M.H.)