翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

うれしい知らせ

 第20回JAT(日本翻訳者協会)新人翻訳者コンテストの日英部門で、友人のクリス・クレイゴさんが最優秀賞を受賞しました! おめでとうございます。

https://jat.org/ja/news/twentieth_annual_jat_contest_winners

 クリス・クレイゴさんとの関係は、彼が卒論で拙訳『エアボーン』の英日翻訳を分析してくれて、その関係でいくつか質問を受けたのが最初でした。その後、埼玉県の職員として来日し、今はまたアメリカにもどっています。もともと、日本文学の翻訳をめざしていたと思うので、今後の活躍に期待しています。

 

 これは8年前の写真なので、クリスくん、だいぶ若いです。

 

続きを読む

「製本と編集者」vol.1、vol.2

「製本と編集者」という雑誌、というのか、ムック、というのか、とにかくそういう本があって、十七時退勤社というところから出ています。2022年の11月にvol.1が出て、昨年、2023年の11月にvol.2が出ました。

 毎号、編集者の方三人に入念なインタビューを行なった記事がまとめられています。「はじめに」に書いてあるところによると、十七時退勤社は、出版社の営業をしている橋本亮二さんと、製本会社に勤めている笠井瑠美子さんが本を出す時の個人レーベルなんだそうです。

続きを読む

「翻訳者、豊崎由美と読んで書く」vol.1

 書評家の豊崎由美さんと翻訳者たちが、翻訳文学を読んで書評を書き、その書評を相互採点し、語り合うという書評講座の記録です。講座を企画した新田享子さんや、運営やこのユニークな書評集の作成に携わっている翻訳者のうちの何人かが、ふだん勉強会でご一緒している縁で、創刊号をいただきました。

 おもしろい!

 100ページほどの本ですが、実際の書評と、それに対して豊崎さんとメンバーが語る対談記録、あいだにメンバーのコラムがはさまっていて、外国文学と翻訳と書評への愛があふれる興味深い読み物になっています。翻訳や書評にそれほど関心がない方にとっても、文学好きなら読みどころが満載。

 とりあげられている作品は、『ハムネット』、『掃除婦のための手引書 ルシア・ベルリン作品集』、『朗読者』、『喜べ、幸いなる魂よ』、『フォレスト・ダーク』……などなど。

続きを読む

加藤秀さん、写真展行ってきました!

 もう先週のことですが、銀座のソニーイメージングギャラリーで開かれていた、加藤秀さんの写真展に行ってきました。

 スコットランドの島々をめぐって、何年もかけて撮りためた写真だそうです。お話もできて、ご主人にも会えて、楽しいひとときでした。

 印象的だったのは、何回か通って現地の人と交流することで撮れたポートレート。みなさん、いい表情でした。そして、会場で上映されていた美しいカラー映像。なんと、加藤さん自らドローンを操縦して撮影されたそうです。へブリディーズ諸島の美しい風景が楽しめます。ぜひ、見てほしい。

 東京は会期が終わってしまいましたが、1月30日から2月11日まで、京都写真美術館で開催予定です。関西方面の方はぜひ!

https://katoshu.art/article/2024/01/-oran-na-gaoithe.php

 

 加藤さん、ありがとうございました。

 

(M.H.)

 

加藤秀さん写真展のご案内(1月5日〜18日@銀座)

 加藤秀さんの写真展が、1月5日から18日の予定で、ソニーイメージングギャラリー銀座でひらかれています。ご案内の葉書をいただきました。見にいく予定ですが、終わりごろになりそうなので、とりいそぎご紹介を。

 くわしくはこちらを。

https://katoshu.art/article/2024/01/-oran-na-gaoithe.php

 

(いただいたお知らせ葉書です。)

 

 加藤さんは、昨年、セント・キルダ諸島の写真展の開催にあたって、拙訳『セント・キルダの子』を読んでくださり、写真展にもうかがいました。

 その時の記事はこちらです。

haradamasaru.hatenablog.com

 

 今回の写真展は、やはりスコットランド沖合の島、ヘブリディーズ諸島で撮影したものを展示しているそうです。

 ちょうど、1月4日に、昨年わたしも呼んでいただいたJ-WAVEのクリス智子さんの番組に、加藤さん出演されています。まだラジコのタイムフリーで視聴できます。よろしかったら。

 https://radiko.jp/#!/ts/FMJ/20240104130000

 写真家になった経緯やスコッチ・ウィスキーの話、ゲール語で歌っているアーティストの歌、へブリディーズ諸島の話、写真展のこと、などなど。

 

(M.H.)

今年もよろしくお願いします!

 2024年が始まってもう5日が経とうとしています。地震、飛行機事故と、立て続けのニュースに心穏やかではありません。ガザやウクライナも戦争中。あまり呑気なことも書けないと思い、だんだんブログの更新頻度が落ちていますが、今年もなんとか翻訳関係を中心に情報発信していこうと思います。

 この写真は暮れの29日に撮った八坂神社。立派です。四国への帰省の途中で八坂神社の奥にある東大谷墓地に墓参りした時のもの。稲藁で編んだ亀がすばらしい。愛媛では親戚と集まれて楽しかった。子どもたちが元気でパワーをもらいました。こういう子どもたちのために、いい本を出し続けたい。

 今年も絵本・児童書が何冊か出せそうですし、いくつか持ち込み中の企画もあります。企画、通りますように。

 

 春にはまず、シドニー・スミス文・絵の "Do You Remember?" が出る予定。お楽しみに。

 

 

 フェローの通信講座は少しお休みしていますが、年内か来年には再開予定です。募集の際はこのブログでも告知しますので、どうぞよろしく。

 

 だんだん肉体的にも精神的にも持久力・瞬発力の衰えを感じてきましたが、その分、ていねいな仕事を心がけたいと思います。

 

(M.H.)

 

 

「ノンフィクションの翻訳を考える」 2024年1月21日(日)

 来年、1月21日(日)の14時から、JBBY(日本国際児童図書評議会)の主催で、「ノンフィクションの翻訳を考える」というイベントがひらかれます。zoomによるオンラインイベントで、見逃し配信もあります。

 以下のポスターの翻訳者のほか、元岩波書店編集者の堀内まゆみさんがコーディネーターとして参加されます。

 くわしくは以下のリンクを参照してください。 

【 https://jbby.org/news/domes-news/post-18614 】

 

 

 わたしの訳書には伝記絵本・読み物が何冊かあり、また、フィクションも実際に起きた事件や戦争、社会で問題となっている事柄にまつわる物語が多くあります。なので、自分では、あまりフィクション・ノンフィクションの区別をしていないところがありました。今回、訳書の中からノンフィクション作品を挙げてくれと言われて、改めてそう思いました。

 登壇メンバーの中には科学系のノンフィクションを多く手がけている訳者もいらっしゃって、またちがう角度からのお話がうかがえると思います。

 

 どうぞよろしく!

 

(M.H.)

 

『オリンピア』(デニス・ボック作、越前敏弥訳、北烏山編集室)

『オリンピア』は、まだ新しい出版社、北烏山編集室レーベルの第1作です。この版元を立ち上げた樋口真理さんは、三省堂時代にわたしの訳書の編集をしてもらいましたし、じつはわたしと同じ、神奈川県立湘南高校のソフトテニス部出身なのです。

続きを読む

古典児童書を読む会『風にのってきたメアリー・ポピンズ』

 今日は川越の絵本カフェ「イングリッシュブルーベル」さんで、古典児童書を読む会がありました。課題本は『風にのってきたメアリー・ポピンズ』。子どものころに読んだかどうか、さだかではありません。映画で見た、なんとなく傘につかまって飛んでくるイメージ。スーパーカリフラなんちゃらかんちゃら……、という呪文は、原作には出てきません。ジュリー・アンドリュースのさわやかな感じは別物。

続きを読む