翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

『チャンス』翻訳協力、藤田優里子さんの記事

『チャンス はてしない戦争をのがれて』(ユリ・シュルヴィッツ文・絵、拙訳、小学館)の翻訳で、訳文チェックをお願いした藤田優里子さんが、サンフレアアカデミーのウェブに記事を寄せてくれました。この本に深く共感してくれた上で、チェック、アドバイスをしてもらうことができて、とても助かりました。その共感がよく伝わってくる文章です。藤田さん、改めてありがとうございました。

https://sunflare.com/academy/hitoiki/learning/422/

 

 写真左はカバーをかけた状態。はずすと、右側のような表紙が現われます。もちろん、これもシュルヴィッツさんの絵。ソ連のアルハンゲリスク近くの冬の森です。原書では章の初めのページに使われているだけなのですが、日本語版では表紙のデザインに使われました。きれいです。わたしも西シベリアで雪の積もった針葉樹の森を見たことがありますが、ほんとうにきれいなんですよ。

 

(M.H.)

 

御礼「だから翻訳は面白い」(於朝日カルチャーセンター)

 今日は夕方、新宿住友ビルの朝日カルチャーセンター内で、越前敏弥さんの主催されている「だから翻訳は面白い」の講座にお招きいただき、「海外児童文学・YA文学に描かれる戦争と差別」というテーマで話してきました。重いテーマではありますが、楽しくしゃべれました。

 越前さん、会場にお越しいただいたみなさん、Webで視聴された(これからされる)みなさん、ありがとうございました!

(西新宿の住友三角ビルは、新卒で就職したのが住友系列の会社だったので、大学4年時に入社内定式で来ました。あれから40年以上経ってますが、変わらぬ外観で、見るたびに、いつもなつかしい。)

 

(M.H.)

 

訳書リスト12(56冊目〜 )(更新)

 56〜59冊目です。

 

(59)『野性の呼び声』(「小学館世界J文学館」所収)

 (ジャック・ロンドン作、小学館、2022年11月22日初版発行)

 "The Call of the Wild"(1903,  by Jack London)

 イギリス・動物・古典新訳

 

  編集は塚原伸朗さん、津田隆彦さん、挿画はミロコマチコさん、装丁は城所潤さん+大谷浩介さん(Jun Kidokoro Design)です。みなさん、ありがとうございました!

 

(58)『タイムマシン、ほか2作』(「小学館世界J文学館」所収)

 短編2作は、「奇跡を起こせる男」、「緑色のドア」。

 (H. G. ウェルズ作、小学館、2022年11月22日初版発行)

 "Time Machine"(1895), "The Man Who Could Work Miracles"(1906),  "The Door in the Wall"(1898),  by H. G. Wells

 イギリス・SF・古典新訳

 翻訳協力は北村みちよさん、編集は塚原伸朗さん、津田隆彦さん、挿画は槇えびしさん、装丁は城所潤さん+大谷浩介さん(Jun Kidokoro Design)です。みなさん、ありがとうございました!

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JBBY新・編集者講座 広松健児さん

 先週の木曜日、JBBY新・編集者講座 第8期第3回「こんなことを考えながら、子どもの本を作ってきた」で、偕成社の広松健児さんの講座を拝聴しました。おもしろかった、というか、ためになりました。広松さんは、『ぼくは川のように話す』の担当編集者さんだったので、とても丁寧な本作りをされる方だなあ、という印象があったのですが、それを裏付けるような講座でした。

 翻訳絵本の場合、すでに絵やページの構成などは原書があるので、訳文とその書体や大きさや配置、タイトル、全体の構成の一部しかいじれないのですが、それでも、広松さんとの仕事はとても楽しかったし、安心して進めていけました。

 

 この講座では創作絵本をとりあげていたので、その何倍もの時間と労力をかけての絵本作りが垣間見え、身が引き締まる思いでした。学生時代から、絵本や子どもの本とむきあってきた広松さんの幅広い知識と、本作りへの熱い思いが伝わってきました。

 今回の講座でとりあげられていて、とくに印象に残ったのが、下の『ウマと話すための7つのひみつ』(偕成社、2022年)です。与那国島で暮らしている作者の河田桟さんと、この島にいるほぼ野性の馬たちとの交流から生まれた、まさしく「ウマと話すための」本。絵もいいし、文章もいい。

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『小学館世界J文学館』発売開始!

 かねてからご紹介していました、『小学館世界J文学館』が11月22日、発売となりました。我が家にも見本が! いい表紙だ。

 

 この大判、フルカラーのガイド本は、見開き2ページに一作ずつ、全125作品の紹介がフルカラーイラスト入りで載っています。これを見ているだけでも楽しい。ほとんどが新訳で、子どもの本の翻訳をふだんから手掛けている訳者がほとんどなので、読みやすい訳になっています。

 また、イラストレーターのラインナップがすごい。まさに、今、活躍しているみなさんの名前がずらり。

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『タイムマシン』+短編2編、11/22発売!

 世界の名作125作が読める「小学館世界J文学館」が11月22日に発売されます。収録作品も順次、1作ずつ発売されていく予定。拙訳『タイムマシン ほか二編』も同日、Kindleで買えるようになります。

 ぜひ! 

小学館世界J文学館 タイムマシンほか二編

【 小学館世界J文学館 タイムマシンほか二編 】

 

『タイムマシン』は時間旅行ものの走りとされているウェルズの傑作ですが、今回訳してみてほんとうに傑作だと感じました。時間旅行は今も不可能ですが、主人公が80万年後の世界で目にする人類の進化・退化、社会や自然の変化、また、さらにその先の、地球が惑星として死んでいく光景など、ウェルズの科学知識にもとづく描写がみごとです。 

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「日本児童文学」11・12月号  特集「森へ川へ」

「日本児童文学」の11・12月号がとどきました。特集が「森へ川へ」。おもしろい切り口です。

 写真集『ノースウッズ』で土門拳賞を受賞された大竹英洋さんのフォトエッセイ、木曽の森近くにお住まいで、翻訳家・JBBY会長のさくまゆみこさんの森についての論考、トム、ハック大好きで、ミシシッピまで行ったことのある、柏のハックルベリーブックスの店主、奥山恵さんの川についての論考、そのほか、気仙沼の森・川・海の話などなど、とても充実しています。

 わたしは、『ぼくは川のように話す』を訳した関係もあり、川についてのエッセイを書きました。この絵本の川はカナダの川ですね。ほかにも『コピーボーイ』のミシシッピ、そして、ウェストールの短編「真夜中の電話」に出てくるイングランドの運河のこともおりまぜて書きました。

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『コピーボーイ』装画

 原作者のヴィンス・ヴォーターさんが、ご自身のブログで、日本版『コピーボーイ』の装画を絶賛されています。訳者としても、とてもうれしい。

 ヴォーターさんのブログはこちら ↓

http://www.vincevawter.com/11/four-reasons-i-like-the-japanese-cover-for-copyboy/

 

 左が『コピーボーイ』、右が前作の『ペーパーボーイ』。

 

 ヴォーターさんがおっしゃる、この装画を見てうれしく思った4つのポイントを、以下に要約しておきますね。

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「小中高校生の吃音のつどい」

 11月2日、水曜日の午後、「小中高校生の吃音のつどい」というワークショップ活動にたずさわっている佐藤隆治さんとお会いしてお話をうかがい、また、わたしの感じていることを聞いていただきました。佐藤さん、ありがとうございました。

 佐藤さんは会社勤めの傍ら、20年以上にわたってこのワークショップに関わり、吃音者である子どもたちや保護者の方たちと、学習会、キャンプ、演劇、料理教室、アートセラピーなどを通じて、吃音者のサポートを行なってこられたそうです。

 今回は、わたしが訳した、主人公が吃音者の以下の3作品を読んで連絡をくださいました。佐藤さんがおもちになった細かい書き込みがあちこちにある3冊を拝見し、うれしさと同時に、身の引き締まる思いを覚えました。

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『世界はこんなに美しい アンヌとバイクの20,000キロ』

 昨日に続いてオートバイの話。

 来週10月26日発売の絵本、『世界はこんなに美しい アンヌとバイクの20,000キロ』(エイミー・ノヴェスキー文、ジュリー・モースタッド絵、横山和江訳、山烋(さんきゅう)発行、工学図書発行・発売 2000円+税)のご紹介です!

 この本は、1973年にオートバイで世界を一周したフランス人女性、アンヌ=フランス・ドートヴィルさんの旅の様子を描いたものです。翻訳の横山和江さんから、工具の名称などの相談もちょっぴり受けていた縁で、編集担当の細江幸世さんから発売前にいただきました。ありがとうございます。

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