翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

今年もよろしくお願いします!

 2024年が始まってもう5日が経とうとしています。地震、飛行機事故と、立て続けのニュースに心穏やかではありません。ガザやウクライナも戦争中。あまり呑気なことも書けないと思い、だんだんブログの更新頻度が落ちていますが、今年もなんとか翻訳関係を中心に情報発信していこうと思います。

 この写真は暮れの29日に撮った八坂神社。立派です。四国への帰省の途中で八坂神社の奥にある東大谷墓地に墓参りした時のもの。稲藁で編んだ亀がすばらしい。愛媛では親戚と集まれて楽しかった。子どもたちが元気でパワーをもらいました。こういう子どもたちのために、いい本を出し続けたい。

 今年も絵本・児童書が何冊か出せそうですし、いくつか持ち込み中の企画もあります。企画、通りますように。

 

 春にはまず、シドニー・スミス文・絵の "Do You Remember?" が出る予定。お楽しみに。

 

 

 フェローの通信講座は少しお休みしていますが、年内か来年には再開予定です。募集の際はこのブログでも告知しますので、どうぞよろしく。

 

 だんだん肉体的にも精神的にも持久力・瞬発力の衰えを感じてきましたが、その分、ていねいな仕事を心がけたいと思います。

 

(M.H.)

 

 

「ノンフィクションの翻訳を考える」 2024年1月21日(日)

 来年、1月21日(日)の14時から、JBBY(日本国際児童図書評議会)の主催で、「ノンフィクションの翻訳を考える」というイベントがひらかれます。zoomによるオンラインイベントで、見逃し配信もあります。

 以下のポスターの翻訳者のほか、元岩波書店編集者の堀内まゆみさんがコーディネーターとして参加されます。

 くわしくは以下のリンクを参照してください。 

【 https://jbby.org/news/domes-news/post-18614 】

 

 

 わたしの訳書には伝記絵本・読み物が何冊かあり、また、フィクションも実際に起きた事件や戦争、社会で問題となっている事柄にまつわる物語が多くあります。なので、自分では、あまりフィクション・ノンフィクションの区別をしていないところがありました。今回、訳書の中からノンフィクション作品を挙げてくれと言われて、改めてそう思いました。

 登壇メンバーの中には科学系のノンフィクションを多く手がけている訳者もいらっしゃって、またちがう角度からのお話がうかがえると思います。

 

 どうぞよろしく!

 

(M.H.)

 

『オリンピア』(デニス・ボック作、越前敏弥訳、北烏山編集室)

『オリンピア』は、まだ新しい出版社、北烏山編集室レーベルの第1作です。この版元を立ち上げた樋口真理さんは、三省堂時代にわたしの訳書の編集をしてもらいましたし、じつはわたしと同じ、神奈川県立湘南高校のソフトテニス部出身なのです。

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古典児童書を読む会『風にのってきたメアリー・ポピンズ』

 今日は川越の絵本カフェ「イングリッシュブルーベル」さんで、古典児童書を読む会がありました。課題本は『風にのってきたメアリー・ポピンズ』。子どものころに読んだかどうか、さだかではありません。映画で見た、なんとなく傘につかまって飛んでくるイメージ。スーパーカリフラなんちゃらかんちゃら……、という呪文は、原作には出てきません。ジュリー・アンドリュースのさわやかな感じは別物。

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ビーナスラインから麦草峠

 いつものコースを走ってきました。

 東松山の家を6時15分出発。マンションの規則が変わって、7時前に敷地内でエンジンをかけられないので、となりのマンションの管理棟の陰まで押していく。関越道から上信越道に入り、東部湯の丸ICでおり、美ヶ原高原美術館に上がる道を。途中から信号がまったくなくなり、まわりの紅葉がきれい。レストハウスから高原美術館に上がる道は落葉松の落ち葉が散乱していてこわい。四輪はいいけど、二輪でどっちかのタイヤがすべったらおしまいなので、ゆっくり登っていく。

 高原美術館のあたりは雲が下に。空は快晴。この時期にしては暖かい。

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『彼岸の図書館──ぼくたちの「移住」のかたち』

 少し更新がとどこおっていたのは、ウクライナの戦争が終わらず、そこへもってきてガザの問題が起き、日本の政治はひどい状況で、そういうことについて書くのはしんどいからでした。とにかくどちらも早く休戦してほしいし、今の政権には早く退陣してもらいたい。

 

 本の話を。

 たまたまタイトルに惹かれて買った本、『彼岸の図書館──ぼくたちの「移住」のかたち』(青木真兵・海青子著、夕書房)が、面白かったので紹介。

 2019年に出版された本ですが、版を重ねているようです。わたしの買ったのは第3版。夕(せき)書房は高松夕佳さんがやっているひとり出版社です。

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静岡、いろいろ。

 昨日のエントリーでも書きましたが、静岡には神奈川の県立湘南高校で3年間ソフトテニス部(当時は軟式庭球部)でともに汗を流した野澤くんがいて、彼の奥様は静岡県立図書館の職員でもあります。ということで、今回の静岡出張は講演も準備したかいがありましたし、前後の出会いも、野澤夫妻のバックアップでとても有意義な二日間となりました。

 

 講演後は、静岡市内の独立系の書店2箇所につれていってもらいました。

 一軒目は「ひばりブックス」さん。ここは喫茶スペースもあります。海外文学もかなりおいてくれてます。『ぼくは川のように話す』、『おばあちゃんのにわ』はならべて面出しで飾ってくださっていました。ありがとうございます!

https://hibari-books.com/

 静岡県出身の画家で、絵本もたくさん手がけている植田真さんのカレンダーをゲット。

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静岡市にて講演してきました。

 一昨日、10月3日は、静岡子どもの本を読む会、静岡市立中央図書館のお招きで、図書館にて、「詩人の言葉を訳す──『ぼくは川のように話す』ほか」と題し、『ぼく川』をメインに、詩や絵本、読み物における言葉のリズムと翻訳をからめた話をしてきました。関係者の皆さま、ほんとうにありがとうございました。

 講演のたびに、こちらも新たな気づきがたくさんあります。

★同様の講演をご希望の個人・団体がいらっしゃいましたら、当ブログのメールアドレスにお問合せください。★

 ホテルから見た富士山。

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シドニー・スミスさん、講演会

 9月18日(月・祝)は、神保町の出版クラブで、シドニー・スミスさんの講演会が開かれ、行ってきました。

 とても刺激的な講演でした。

 あまりにいろいろ感じすぎて、なかなか文章で表わすのはむずかしいし、軽々に書いてはいけないような気がしています。とにかく、シドニーの絵本制作にかける情熱や、よりよいもの求めての試行錯誤とその徹底ぶりに驚かされました。こちらは、その結果を直感で感じとっているわけですが、彼がじつにさまざまな工夫をこらし、思いをこめた仕事をしているか、それはよくわかりました。

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