翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

『オリンピア』(デニス・ボック作、越前敏弥訳、北烏山編集室)

『オリンピア』は、まだ新しい出版社、北烏山編集室レーベルの第1作です。この版元を立ち上げた樋口真理さんは、三省堂時代にわたしの訳書の編集をしてもらいましたし、じつはわたしと同じ、神奈川県立湘南高校のソフトテニス部出身なのです。

 原作は1998年にカナダで出版された "Olympia" 。翻訳は越前敏弥さん、原書刊行時からあちこちにもちこみをしていた作品だそうです。20年以上かけて出版にこぎつけた執念がすごい。わたしも見習いたいです。いい作品でも、ちょっとしたタイミングのずれで翻訳出版に至らない本はたくさんありますから。

 連作短編集の形式をとっていて、語り手の少年の目を通して描かれる家族や親戚、ベルリン・オリンピックや戦争の記憶……。今、半分読んだところ。残りが楽しみです。

 

 12月17日(日)に、倉本さおりさん、越前さん、樋口さんの刊行記念トークイベントが、青山ブックセンターでひらかれます。チケットはこちら。わたしも行きます。

 https://aoyamabc.jp/collections/event/products/olymia-1207

 

 この本の出版に至る経緯も聞きたいし、「英語英文学・翻訳のふたり出版社」(同社HPより)である新しい版元「北烏山編集室」の今後の展望についても語ってほしい。楽しみにしています。

 北烏山編集室のHPはこちら。

 https://www.kkyeditors.com/

 

(M.H.)