翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

『子どもの読書を考える事典』(朝倉書店)

 5月に刊行された『子どもの読書を考える事典』(朝倉書店)が届きました。

 この本は、「つくる」「読む」「つなぐ」という三つの視点から、子どもの本と読書についてさまざまな人の考えを集めた事典です。詳しくは以下の版元ドットコムのリンクから、目次や一部のページが読めますので、ぜひ。

 目次を見ると、読みたくなるはず。だいたい、1項目見開き2ページで完結のところが多くて、コンパクトにまとめられています。以下の版元ドットコムの紹介ページで、目次がすべて読めます。

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784254680263

 

 わたしは、編集委員の奥山恵さんから声をかけていただいて、「つくる」の部に、「翻訳児童文学の意義 戦争と差別の視点から」という原稿を寄せました。

 上のリンクから目次をぜひながめてみてください。「つくる」のわたしのページの前には、お世話になってる編集者の細江幸世さんが「編集者の仕事」という題で、うしろのページには、やはりお世話になってる装幀家の城所潤さんが「ブックデザインの意義」という題で書いていらっしゃいます。ぱっと見ただけでも、広松由希子さん、野上暁さん、前沢明枝さん、黒井健さん、ひこ・田中さん、濱野今日子さん、さくまゆみこさん、朽木祥さん、野中モモさん……、今、仕事をしている人たちがたくさん書いています。

「読む」の部では読書環境の話で、障害、貧困、病気といった環境での読書まで目配りされていますし、「つなぐ」の分では、家庭、文庫、本屋、保育園、幼稚園、学校図書館、司書、読書会、オーサービジット、読書イベント、レファレンス、ブックリスト……、こうした項目がやはり、基本は見開き2ページで紹介されているのがいいなと思います。

 

 ほんと、ぜひ、上のリンクから目次を見てください。読みたくなると思います。下の写真はカバー袖の編者汐崎順子さんの言葉。

 一気に読める分量ではありませんが、手元において、少しずつ読もうと思います。496ページ、9900円、それだけの価値があります。図書館・学校には必ずおいてほしい。

 どうぞよろしく。

 

(M.H.)