『グレタ・トゥーンベリ──信念は社会を変えた!6人のインタビュー』(ジェフ・ブラックウェル&ルース・ホブディ編、橋本恵訳、あすなろ書房)。すでに書店にならんでいます。
6冊シリーズのうちの1冊ですが、9月にはシリーズのうちの『ネルソン・マンデラ』が拙訳で出る予定ですが、まずは最初に出たトゥーンベリさんの巻をご紹介。
スタイリッシュな装幀で、すばらしいポートレイトが表紙になったインタビュー本です。ほかにも、やはりクロースアップの写真が数点。スタジオで撮ったと思われ、トゥーンベリさんの強さや優しさ、若さをしっかりととらえています。とても読みやすい翻訳は橋本恵さん。コンパクトな本ですが、グレタの生の声を知ることができます。コンパクトな本で定価は1000円。ぜひ!
このシリーズは、ニュージーランドの Blackwell & Ruth という出版社が手掛けているシリーズで、とりあえずあすなろ書房から6冊出ますが、版元ではさらに数人のインタビューを刊行予定。この版元は、やはりあすなろ書房から昨年出版された『すべては救済のために──デニー・ムクウェゲ自伝』の版元ですね。2018年にノーベル賞を受賞した、性暴力を受けた女性たちの救済に奔走しているコンゴのムクウェゲ医師の自伝です。
とてもユニークな版元で、ホームページもすごくデザイン性が高い。本の装幀もみなとても洗練されています。社会的な視点から本づくりをしていることがよくわかる出版社です。
「信念は社会を……」シリーズは、もともと、ネルソン・マンデラの遺志をついだマンデラ財団とのコラボレーションで、マンデラのリーダーシップの拠り所を探り、その観点から、今、世界で活躍している人物へのインタビューと人物紹介、そして、美しいポートレイトで構成されたコンパクトな本です。
マンデラだけはすでに亡くなっているので、インタビューではなく、かつて彼の腹心だった人たちによって執筆されています。数多くある自伝や伝記とは異なる視点で分析されていて、マンデラの行動や日常をふりかえり、だれもが真似できるリーダーシップのための実践について書いた、とてもユニークな本です。
続刊の予定は、
「ルース・ベイダー・ギンズバーグ」(アメリカ最高裁判事)
「ネルソン・マンデラ」
「ステフィン・カリー」(NBAプロバスケットボール選手)
「グロリア・スタイネム」(フェミニズム活動家)
「ブライアン・スティーヴンソン」(冤罪を扱う弁護士) です。
このあと、8月から一月に一冊ペースで刊行予定。
私はマンデラのほかに、スティーヴンソンを訳します。ほかは橋本さん訳。ノンフィクションは調べ物が大変で、うすい本なのに苦労しています。でも、新しいことがたくさん知れるので、楽しくもあります。乞うご期待!
(M.H.)