翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

平成最終日

 平成最後の……、という記事は書くまいと思っていたのですが、なんとなく。

 おとといは、今度結婚する息子のために、子どものころの写真のめぼしいやつを、スマホで撮影して送ってやる、という頼まれた作業をしていたのですが、息子の幼いころの写真がめちゃくちゃかわいくて(親バカですが)、そして、当時のことを思い出して、仕事が手につかなくなりました。ま、世間的にはGWだからいいか……。

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 写真は1994年なので、平成6年ということらしい。パソコンはMac。当時はふつう、マッキントッシュ、と言ってた。左手は息子の小さな手。うしろの棚には、最初の訳書『ミッドナイトブルー』のえんじ色の背表紙が見えます。1993年の出版ですね。

 会社をやめたのが昭和最後の年の暮れ、1989年。昭和天皇の大喪の礼の日は、就職までのあいだの休みに奈良に旅行していて、冷たい雨の中、売店や食堂が軒並み休みだったのを覚えています。息子が生まれたのが平成二年なので、平成は、ほぼ自分が翻訳に関わってきた日々と、息子の育ってきた日々に重なるのでした。

 

 以来、細々とながら、なんとか訳書を出し続けてこられたことには、家内を筆頭に、周囲のみなさんにただただ感謝しなければなりません。

 

 

 

 昨日は、一年間、心の重荷だった、マンションの自治会の会計の仕事が終わり(ほんとになんか重苦しい感じだった……)、さっき新会計に引き継ぎをすませて、ほっとしました。

 遅れ気味の仕事を前に進めなければなりません。オリンピックや改元による印象操作には乗りたくない。年号は西暦でできるだけ書きましょう。復興五輪などというわけのわからないスローガンはやめてほしい。日本の右傾化を食いとめるために、折にふれて声を出しましょう。

 これからも、テーマ性のある本を意識的に翻訳し、日本はむしろ異常なのだということを、若い読者にも伝えていきたい、と、プチ宣言。

 

(M.H.)