翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

「Be」読書会におじゃまして

 水曜日、神楽坂の日本児童文学者協会で、児童文学の作家さんや編集者さんの集まる「Be」という読書会におじゃましてきました。課題本が拙訳『真夜中の電話、ウェストール短編集』だというご案内をいただいていたからです。

真夜中の電話 (児童書)

 翻訳者同士で本の話をすることはあっても、作家さんたちの話をうかがうことはあまりなかったので、刺激的でした。やはり、皆さん、ご自分で創作活動をしているからなのか、文章処理やプロット、人物造形など、具体的な話が多くて勉強になりました。

 翻訳者はどこかで「他人の作品を紹介している」という気分がぬけきれないと思いますが、作家は「わたしならこう書く、こう書きたい」という目をもっているからなのだと思います。翻訳者も、どこかにそういう目をもちつつ、翻訳にとりくんだほうがいいのかもしれません。

 他人ごとのように翻訳してはいけない、と思いました。

 

 そして、みなさんそれぞれに、この短編がいい、こっちは入り込めない、といった、短編集ならではの感想が飛び出し、それもとても楽しかった。ウェストールという作家のことも、少しわかっていただいたような気もしますし。

 

 ご紹介くださった加藤純子さん、池田純子さん、そして「Be」のみなさん、ありがとうございました。また、なにかのご縁で、ご一緒できますように。

 

(M.H.)