ネルーダの少年時代を描いた『夢見る人』に収録されていた、ネルーダの詩について教えてもらった松本健二さんに、できた本をお送りしたら、イラスト入りのネルーダの詩集『マチュピチュの頂』をいただきました。ありがとうございました。
この本はスペイン語なので、わたしには読めないのですが、ネルーダの傑作といわれている詩「マチュピチュの頂」に、Raquel Echenique という画家がイラストをつけています。
このイラストだけでもすばらしくて、ここ数日、何度も見返しています。やっぱり、これは詩の言葉の意味を知りたいなあと思うのですが、手元には部分訳しかなくて、これはやはり、松本さんの訳された『大いなる歌』で読んでみたい、と。でも、この本は5000円近くするので、どうしようか。図書館にリクエストしてみようか……。
ネルーダの自然や文化や政治や虐げられた人々への眼差しは、その萌芽が『夢見る人』に描かれている子ども時代にあることが、この本を訳してから、改めてじわじわと感じられるようになりました。訳している時にもう少し調べてもよかったなあ、とも思いますが、一方で、妙に誘導的な訳をしていたかもしれず、それはそれでよかったのかもしれません。
さて、そのネルーダは、スペイン内戦時、スペインにチリの領事として赴任していて、彼の口添えで、パスポートのなかった写真家ロバート・キャパは、アメリカへ渡航するための査証を得たと言われています。
この話が入っている、写真家ロバート・キャパとゲルダ・タローの写真入り伝記が、今、ようやくゲラの段階まで来ています。ヤングアダルト向けに書かれたものですが、二人の関わりに焦点を絞った本格的な伝記です。その破天荒とも言える、でも一直線の生涯は、若い世代にこそ読んでもらいたい。
夏前には出せると思いますので、乞うご期待!
(M.H.)