翻訳者の部屋から

児童書・YA翻訳者、原田勝のブログ

台風一過

 屋根が飛びました。

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 すごい雨風でしたねえ。うちの近くは零時前後がもっとも激しく、窓をあけられないくらいの吹降りでした。皆さんのところはどうでしょうか。お変わりないといいのですが。

 埼玉のこのあたりは、天候はおだやかなことが多く、夏は暑いけれど、台風はあまり影響がなかったのですが、久しぶりに自然の脅威を感じました。ものすごい風と雨でした。 自宅のある棟の、屋根のコンクリートパネルの上に張ってある断熱材やスレート様のものが風でやられました。窓ガラスが割れたお宅もあったようです。とりあえず、屋根そのものは大丈夫なのですが……。

 

 子どものころはよく、庭一面に広がる水を飽きずにながめていたものですが、今思うと、あれは床下浸水だったのかなあ。数年前には、オートバイが水浸しになってひどい目にあいましたが、まさか屋根がはがれるとは。とりあえず、もうあんな風は吹かないでほしい。さて、補修はどうなるのやら。

 

 

 

 どうか、皆様、ご安全に。

 

(M.H.)

 

PS:あ、昨日は自重して埼玉スタジアムへは行きませんでしたが、レッズはしっかり勝って、よかった。

 

メモのとりにくい本

 原書のリーディングをしていて、レジュメの書きやすい本と、書きにくい本があります。 いや、レジュメが書きにくいというより、どんどんメモの量が増えていく本があるのです。本の長さとはあまり関係がありません。

 言い方を変えると、メモをたくさんとらないとレジュメが書けない本と、それほどメモをとらなくても、あとでチャッチャッとレジュメが書けちゃう本がある、と言うべきでしょうか……。メモをとらずに書けちゃうことさえあります。

 

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 もちろん、これは、その小説がどういうタイプの作品なのか、作者がどういう書き方をしているのかと関係があります。

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奥山恵歌集『窓辺のふくろう』

 奥山恵さんの歌集、『窓辺のふくろう』が、第14回日本詩歌句随筆評論大賞の短歌部門で大賞を受賞されました。おめでとうございます!

 奥山さんは柏でハックルベリーブックス(http://www.huckleberrybooks.jp)という子どもの本の専門店を経営していらっしゃって、以前、お招きを受け、『ハーレムの闘う本屋』の朗読会をやったり、『スピリットベアにふれた島』をとりあげた読書会に参加したことがありました。

窓辺のふくろう (COAL SACK銀河短歌叢書;かりん叢書)

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今なぜ『君たちはどう生きるか』なのか

「日本児童文学」の9・10月号の特集です。

 野上さんの「コペル君とその時代から」は、戦前・戦中・戦後の児童文学者たちの実情を丁寧に解説してくださっています。少し身が引きしまりました。

 頼まれて、『ハーレムの闘う本屋』にからめ、「知識こそ力」というエッセイを寄せました。

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『バンビ』──古典児童書を読む会

 昨日は川越の「イングリッシュブルーベル」さんで、古典児童書を読む会でした。課題本は『バンビ』。そう、あのディズニーアニメで有名なバンビ。原作はハンガリー生まれのユダヤ人で、オーストリアからアメリカに亡命した作家、フェーリクス・ザルテンです。原作はドイツ語ですね。

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(この日のおやつは、バンビみたいに草を食べるわけにはいかないので、店主のKさん、全粒粉のクッキーとレモンバーベナのティーを用意してくれました。ちょっぴりバンビの気分。)

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御礼、「BOOKMARK」3周年イベント。

 今日は青山ブックセンターで、金原先生、三辺さんとのトークイベントでした。ご来場のみなさん、ありがとうございました。おかげさまで、楽しくおしゃべりできました。

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 今後は年2回の発行になるそうですが、続いていくそうですよ。イラスト・デザイン担当のオザワミカさんにもお目にかかることができました!

 

 次号のテーマは「絵+字で、無敵!」だそうです。なんの特集か、だいたいわかりますよね。

 

 みなさん、海外文学、もりあげていきましょう!!

 

(M.H.)

 

合間をぬって、本、読まなきゃ

 本はわりあい、固まって、どさどさと届くような気がします。

 ここ二、三日の本たち。

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 レヴィサンの『エヴリデイ』。これ、以前、原書(右)を読んだことがあり、気になっていたのですが、訳すのがむずかしそうで、うーん、と思ってたら、三辺さんが訳してくれました。原書の表紙もいいけれど、日本語版の表紙、いいですね。そう、こういう話です。オビにある通り。ね、ふしぎな設定ですが、そこにはわたしたちが日常感じるような人間関係の機微や、生きてることの実感や実感のなさが、あちこちにのぞいて、ドキッとするのです。

 今度の日曜日、BOOKMARKのイベントで三辺さんとご一緒するので、苦労話とかもきいてみようかな。

 と、なにげに宣伝を。残席わずか(だと思います)。

www.aoyamabc.jp

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